●銀座エリアの募集賃料と募集件数
  フロア区分 10Q4 10Q1 10Q2 11Q3 11Q4 前年同期比 前期比
募集賃料
(円/坪)
全フロア 29,739 28,554 29,282 26,466 26,304 88.4% 99.4%
1F 50,552 52,161 54,685 46,443 43,950 86.9% 94.6%
1F以外 24,973 24,216 23,649 23,353 23,512 94.1% 100.7%
公募数 全フロア 251 285 270 351 401 159.8% 114.2%
1F 40 41 48 50 61 152.5% 122.0%
1F以外 211 244 222 301 340 161.1% 113.0%
スタイルアクトが提供するReRemによる集計。11Q4は2011年10月~12月の集計値

※2011年第1四半期の調査から対象エリアを以下のように変更しました。
対象範囲を商業集積地に絞ったため、より実態に近い値になりました。

ビーエーシー・アーバンプロジェクト


 銀座の1階の平均募集賃料は、2011年第4四半期で1坪あたり4万3950円。リーマンショック後の最安値を更新した。これは、賃料水準が低い店舗の募集が増えているからだ。

 地区内の状況を細かく見ると、第4四半期は賃料水準の低い銀座1丁目で募集件数が大幅に増加した。一方、賃料が高い銀座6丁目の並木通りで募集がなく、6丁目の平均募集賃料が半値程度に下がった。こうした動きによって、1階の募集賃料の平均値が下落する結果となった。

 中央通りや晴海通りのメーンストリートでは、1階店舗の1坪あたり成約賃料が10万円を超え、依然として高い水準を維持している。しかし、裏手立地ではその半額以下となり、銀座地区内で賃料格差が広がっている。

 2011年10月には、有楽町阪急が阪急MEN'S TOKYOに業態を変更し、西武有楽町店の跡地にLUMINE有楽町店が新規出店した。二つの百貨店が衣料品専門のショッピングセンターに変わったわけだ。初年度売上目標として、阪急が約120億円、LUMINEが約200億円を掲げている。現在のところ、両施設ともに売上は好調に推移しており、目標に達する見込みだ。有楽町駅周辺の集客力は高まっており、今まで少なかった若年層の取り込みにも成功した。

 若年層を取り組む動きは、中央通りでも見られる。2012年3月16日に開業したギンザコマツでは、東館に世界最大のグローバル旗艦店となるユニクロ銀座店が、西館にコムデギャルソンのドーバーストリートマーケットギンザ・コムデギャルソンが、それぞれオープンした。ユニクロ銀座店が入居していた銀座ワシントンビルには、ファーストリテイリングの基幹ブランドの一つであり、ユニクロよりも低価格のカジュアルブランド、g.u.ジーユーが3月末にオープンする。

 これらのカジュアルファッション、ファストファッションの台頭により、銀座エリアは以前の大人の街から、若年層も取り込んだ広い年齢をターゲットとする街に徐々に変化している。