4月14日から開催のリノベーションまちづくりサミットで、「築地市場の活用案を題材にする」と主催者側が明らかにした。最終日である16日のプログラム「ユニットマスターたちのリノベーションスクール」で、建築家などリノベーションのプロ15人に事業プランを競わせる。審査員8人に対する公開プレゼンの場を設け、まちづくりの視点から時事性のある問題に切り込む。
最終日のプログラム「ユニットマスターたちのリノベーションスクール」は、サミットのメーンイベント。全国で展開するリノベーションスクールで「ユニットマスター」と呼ばれるファシリテーター役を務めてきた面々が、今回は事業プランを提案して審査される側に回る。提案側も審査側も、建築設計業、不動産業、家守業などの立場で一連の動きに関わるリノベーションのプロ。昨年の第1回サミットでも、同趣旨の企画を実施した。
今回、その対象案件を、豊洲移転問題で揺れ、都民の大きな関心を集める築地市場にする予定であると分かった。参戦する13人のユニットマスターを既に選出済みで、当日の来場者から2人の飛び入り参加を募る。5人ずつの3ユニットに分け、「築地市場の活用案」を競わせる。築地市場の問題に詳しい専門家が引率する現地視察を含め、当日午前から夕方までの即日ワークとなる。
同企画で司会役となる建築家で、リノベーションまちづくりサミットを主催するリノベリング社の代表である嶋田洋平氏に改めて聞いた。「今回は、周辺にある空間資源と合わせて検討し、市場に特有の活用時間の断片化を埋めながら今の建物を市場として使い続ける事業プランを求めるつもりだ」と言う。
「僕らは移転問題について賛成でも反対でもありません。今あるものを生かし、新しい使い方によって、まちを変えるのがリノベーションまちづくりのテーマです。限られた時間内ですが、ユニットマスターたちの斬新な発想により、多くの人々の関心を集めている築地市場とその周辺における今後のまちづくりにつながる、魅力的なプランに結び付いていけばと期待しています。また公開プレゼンの観覧により、リノベーションまちづくりの考え方や方法を知ってもらう良い機会になると思っています」(嶋田氏)
なお参戦するユニットマスターや審査員を含む概要は下記のとおり。
●ユニットマスターたちのリノベーションスクール
4月16日(日)
11:00-11:30 開校式
11:30-16:30 ユニットワーク
17:30-19:00 公開プレゼンテーション
事業プラン立案(ユニットマスター)
岩本唯史(RaasDESIGN代表)、大木貴之(LOCAL STANDARD代表)、柿原優紀(Happy Outdoor Wedding代表)、川畠康文(プラスディー設計室代表)、倉石智典(MYROOM代表)、坂田裕貴(HandiHouse project共同主宰)、桜林直子(SAC about cookiesオーナー)、東海林諭宣(See Visions代表)、中川正太郎(ASTER代表)、林厚見(SPEAC共同代表)、三浦丈典(スターパイロッツ代表)、宮崎晃吉(HAGI STUDIO代表)、宮部浩幸(SPEAC取締役)
審査員
明石卓巳(レイデックス代表)、大島芳彦(ブルースタジオ専務取締役)、岡崎正信(オガールプラザ代表)、桑原宏治(333代表)、平松圭(sumusee代表)、寺脇加恵(Globe Caravan代表)、米良はるか(READYFOR代表)、吉野智和(久遠チョコレート プロジェクト推進リーダー)
司会
嶋田洋平(リノベリング代表)
全日程は下記を参照。
●リノベーションまちづくりサミット!!!2017
会期 2017年4月14日(金)~16日(日)
会場 3331 Arts Chiyoda メインギャラリー(東京・外神田)
プログラム詳細は 公式サイト を参照。
●「リノベーションまちづくり」の新局面
(1) 公民連携の理想形、そして地域産業の創出へ
(2) 建築は「エリアの経営資源」──サミット開催
(3) 嶋田洋平氏「僕らを見つけてほしい」──サミット開催
(4) 清水義次氏「社会の変化を受け止めてほしい」──サミット開催
<訂正>記事冒頭に記載した開催日を訂正しました。(2017年4月14日午前9時30分)