2012年9月に竣工予定のヒューリック大伝馬ビル(仮称)が、日本政策投資銀行のDBJグリーンビルディング認証で最高位のプラチナの評価を獲得した。延べ床面積1万m2以下の中規模オフィスビルがプラチナの認証を得るのは初めて。一方、ランドビジネスの横浜プラザビルは、三井住友銀行のSMBC環境配慮ビルディング評価で5段階中、上から2番目のゴールドの格付けを得た。二つの金融機関が2月に公表したビル環境認証の実績は9件だ。

2月のオフィスビル環境認証(公表資料を基に日経不動産マーケット情報が作成)

 ヒューリック大伝馬ビルは、100年以上の長期にわたって利用することを想定したプロジェクトだ。ヒューリックが米マサチューセッツ工科大学と共同開発中の自然換気・自然採光の新技術を導入する。免震構造で非常用発電機を設置するなど、防災機能も高く評価された。

 日本政策投資銀行の環境認証を取得したビルのうち、MIDリート投資法人のツイン21は1986年の竣工物件で、シルバーの格付けを得た。これまでの認証物件のなかで最も古い。東海関電ビル、難波サンケイビル、麹町フロントビルは、いずれもゴールドの認証を取得した。日本政策投資銀行の実績は、これで39件となった。

 麹町フロントビルは、三井住友銀行の環境認証でもゴールドの格付けを得た。同行はこれに伴い、開発主体のメックビルディング特定目的会社に対して開発型ノンリコースローンの融資を実行した。環境認証に伴うノンリコースローンは今回が初めてだ。

 日本政策投資銀行の環境認証が無料なのに対して、三井住友銀行は有料で評価している。横浜プラザビルでシルバーの認証を得たランドビジネスは評価を得る意義について、ビルの認知度が高まることと、金利が安くなるなど融資条件がよくなることを挙げている。三井住友銀行の実績は公表ベースで7件となった。