ケンプラッツ読者を対象に実施した資格実態調査で、建築・住宅分野の回答者を中心に、「最も役立つ資格」として圧倒的な支持を得たのは一級建築士だ。役立つ理由として挙げられた意見で目立ったのは、「仕事に不可欠」というコメント。一方、発注者や社内外からの信頼が厚くなることを理由に挙げたコメントの割合は「技術士」ほど高くなかった。
役立つ理由を分析するために、分類・整理した自由意見を見ていこう。具体的な記述としては、「設計事務所の開設」や「管理建築士になる際」に「一級建築士の資格が必要」とする声が多かった。また、「設計できる建物の幅が広い」「建築設計のほとんどの仕事ができる」などのコメントがあった。二級建築士や木造建築士と比べて、建築士法で認められている建物の規模や構造形式が幅広いことを役立つ理由に挙げている。このほか、具体的な内容には言及していないが「業務に不可欠」という意見が多数、寄せられた。なお、回答者プロフィルの項目は、(年齢/勤務先/主な業務/勤務先の従業員数/勤務先の所在地/取得済み資格)を記している。
- 建設会社の設計部にいて、設計事務所を開設するのに必要だった。(60歳代/設計事務所/建築構造設計・監理/1~3人/東京都/一級建築士、構造設計一級建築士、宅地建物取引主任者)
- 設計事務所立ち上げ時の開設者として登録した。(60歳代/設計事務所/建築意匠設計・監理/1~3人/宮城県/一級建築士、建築積算士、一級建築施工管理技士)
- 設計事務所の経営に必須だから。(50歳代/設計事務所/建築意匠設計・監理/1~3人/東京都/一級建築士、福祉住環境コーディネーター)
- 設計事務所と建設工事業の運営に必要だから。(40歳代/その他/建築意匠設計・監理/500~999人/東京都/一級建築士、一級建築施工管理技士)
- 会社の管理建築士になれる。(50歳代/総合建設会社/建築構造設計・監理/1000人以上/東京都/一級建築士、二級建築士、構造設計一級建築士)
- 建設業の会社では必須の資格なので、持っていること自体が役に立っている。(40歳代/総合建設会社/積算・見積/500~999人/岐阜県/一級建築士、一級建築施工管理技士、コンクリート技士、一級土木施工管理技士)
- 建設業の監理技術者および併設している設計事務所の管理設計士として活用している。(50歳代/住宅メーカー・工務店/経営者・管理職/4~9人/埼玉県/一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーター)
- 設計できる建物の幅が広い。自治体発注の物件を担当する際、必要条件であることが多い。施主に与える安心感ある。(30歳代/設計事務所/建築意匠設計・監理/50~99人/兵庫県/一級建築士、二級建築士)
- この資格で建築設計のほとんどの仕事ができる。(60歳代/設計事務所/建築意匠設計・監理/1~3人/大阪府/一級建築士、二級建築士、建築積算士、コンクリート技士ほか)
- 建築設計を行う上で必須の資格であり、会社においても取得を求められる資格であるから。(40歳代/総合建設会社/建築意匠設計・監理/1000人以上/東京都/一級建築士ほか)
- 審査業務で必要なため。(30歳代/地方自治体/建築確認/1000人以上/千葉県/一級建築士、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーターほか)
- 建築の仕事についてはこの資格があればたいていの仕事が可能になる。(40歳代/その他/建築意匠設計・監理/1000人以上/新潟県/一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士)
- この資格がないと仕事ができない。(50歳代/設計事務所/建築意匠設計・監理/1~3人/愛知県/一級建築士)
- 主にこの資格で仕事をしている。(50歳代/総合建設会社/施工管理/10~49人/徳島県/一級建築士、一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士、宅地建物取引主任者、測量士、環境計量士、マンション管理士、技術士補、一級土木施工管理技士)
- この資格がないと通用しない。(50歳代/専門工事会社/経営者・管理職/4~9人/東京都/一級建築士、一級建築施工管理技士、宅地建物取引主任者)
- 業務を行う上での要件となっている場合が多い。(40歳代/デベロッパー・不動産会社/営繕・建物管理/100~499人/宮城県/一級建築士、二級建築士、建築積算士ほか)
- 持っていないと一人前と認められない。(50歳代/中央官庁/教育/1000人以上/東京都/一級建築士、コンクリート診断士、コンクリート主任技士、コンクリート技士、VEリーダー・VEスペシャリスト・CVSほか)
- 法定独占業務に携わることが可能になった。(40歳代/地方自治体/その他・行政/100~499人/長崎県/一級建築士、建築積算士)