東京証券取引所は5月12日、REIT(不動産投資信託)の海外不動産投資を解禁した。有価証券上場規程などの一部を改正し、REITの保有資産の対象を海外不動産にまで拡大した。海外不動産へ投資するREITに対しては、投資姿勢や投資指針、運用態勢、リスク管理などの情報開示を求める。

 東京証券取引所はこれまで、標準的な鑑定評価手法が定まっていないことなどを理由に、REITの海外不動産投資を禁止してきた。しかし、今年1月に国土交通省によって「鑑定評価ガイドライン」がまとまり、海外不動産投資に必要な環境が整ったと判断し、解禁に踏み切った。

 社団法人不動産証券化協会の岩沙弘道理事長は5月12日、今回の措置を歓迎するコメントを発表した。「J-REITによる海外不動産投資が解禁されることは、日本の金融市場が国際的な競争力を確保するために不可欠な大変有意義な第一歩だと考えます」との考えを述べたうえで、「海外不動産投資にあたっては、制度に即した十分な情報開示が徹底されることを期待しております」との認識を示した。