大規模・高層化進む世界の緑化建築
日本でも屋上緑化、壁面緑化、という言葉が知られるようになって久しいが、街中で目にする機会はあまり多くない。海外でも緑化というと、屋上や壁面の一部に限って行うものがほとんどであった。しかし近年、大規模化が進み、高層建築での採用も増えている。
ジャン・ヌーベルのオーストラリアデビュー作であるワン・セントラル・パーク (One Central Park)は、緑化壁を持つ建築としては南半球で最高の117mの高さを誇る。緑化壁のデザインはこの分野の先駆者、パトリック・ブランによるものである。延べ1100m2の緑化壁に植えられた植物は、南オーストラリア固有種200種をはじめ、実に383種。アラップは日射解析を実施し、部位ごとの環境に応じた植物の選定をサポートした。
以前、このコラムでも紹介したイタリア・ミラノの集合住宅、ボスコ・ヴェルティカーレ(Bosco Verticale)も高さ110mの高層建築を緑化した例だ。片持ちで大きく張り出したバルコニーにはプランターが備えられ、低木から高木まで様々な植物が植えられている。賛否の分かれたこのプロジェクトだが、超高層の緑化という先進的な取り組みが評価され、2014年のインターナショナル・ハイライズ・アワードを受賞した。
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