地震や火災に関する話題も豊富に

 日経ホームビルダー11月号には、特集のほかにも注目してほしい記事があります。地震に関する2つの記事です。1つは建物のコーナー部に大きな開口部を持つ住宅の振動実験をリポートした「大開口でも高耐震になる秘訣」、もう1つは、熊本地震で計測された地震データに捏造の疑惑が持ち上がった事件を伝えるニュース記事「熊本地震データに捏造疑惑」です。

 大開口を持つ住宅の振動実験は、住宅情報館(相模原市)が実施したものです。建築基準法レベルの壁量の住宅と、建基法の2倍の壁量を持つ住宅とを揺らしました。大きな地震動を繰り返し与えたところ、ポイントを抑えた設計と施工を実現し、内外装を施した場合には、建基法レベルの住宅でも高い耐震性が認められました。

 捏造疑惑が持ち上がった熊本地震の本震データは、これまでにない大きなレベルの地震動を示すデータとして、熊本地震の被害分析や、今回のリポート記事でお伝えしたような様々な振動実験で利用されてきました。

 リポート記事の実験では、疑惑が持たれている地震波も使われていましたが、地震動のデータが厳しめの設定である点や、阪神・淡路大震災や東日本大震災などで観測された地震波も用いた実験を実施していたので、記事として掲載しました。

 しかし、これまでに数多くの研究者が手掛けてきた地震被害の分析などに影響が出てくる恐れがあります。問題が大きくならないか心配です。

 日経ホームビルダーでは、動画を使ったコンテンツにも注力しているところです。例えば、11月号ではニュースの深層「逃げられない中廊下式木造」の関連記事を本誌のウェブサイトに掲載しました。前編後編に分けた記事のうち、後編の記事では火災時の煙の動きなどを示すシミュレーション動画を掲載しています。

 さらに、実務に役立つ動画コンテンツとしてDVD「実践 雨漏りを防ぐ~軒ゼロ全盛時代を生き抜くノウハウ」を2017年10月31日に発行します。雨漏りを防ぐための施工手順や品質管理の手法を、図解したコンテンツや現場の施工手順を編集したコンテンツなどで分かりやすく伝授します。住宅の品質管理上、極めて重要な雨漏りの防止対策を一見して分かるようにまとめています。同年10月27日までは予約販売も受け付けており、割引価格でお求めいただけます。

DVD講座「実践 雨漏りを防ぐ~軒ゼロ全盛時代を生き抜くノウハウ」。10月31日に発行する(資料:日経ホームビルダー)
DVD講座「実践 雨漏りを防ぐ~軒ゼロ全盛時代を生き抜くノウハウ」。10月31日に発行する(資料:日経ホームビルダー)