ジョイント・リート投資法人は2月19日、積水ハウスとスプリング・インベストメントが新たなスポンサーに決まったことを発表した。新スポンサー2社は、旧スポンサーであるジョイント・コーポレーションから資産運用会社の全株式を取得する。同日付で株式売買契約を結んでおり、3月8日に取引を実行する予定だ。

 投資法人は4月に2社を割当先とする1万400口の新投資口を発行し、約18億円を調達することも明らかにした。3月に期限を迎える投資法人債の償還資金として短期借り入れを実施する予定で、第三者割当で調達する資金はこの借入金の返済に充てる計画だ。

 資産運用会社のジョイント・キャピタル・パートナーズへの出資比率は積水ハウスが75%、スプリング・インベストメントが25%となる。4月の第三者割当増資では積水ハウスが7800口、スプリングが2600口を引き受ける。今後、2社は運用体制、内部管理体制を強化する目的で、資産運用会社に役職員を派遣する。新スポンサーによる物件情報の優先的な提供を目的に、パイプラインサポート契約も結ぶ予定だ。

 新スポンサーの積水ハウスは、所有するプライムメゾンシリーズをはじめとする賃貸住宅など、投資法人へ安定的に物件提供する考えだ。これにより、投資法人は住宅・商業施設中心の資産構成から、住宅中心の総合型REITへの転換をめざす。積水ハウスは、2006年に上場したジャパンエクセレント投資法人の資産運用会社にもコアスポンサーとして出資している。ジョイント・リート投資法人は住宅中心の資産構成をめざしていることから、「積水ハウスがスポンサーとしてオフィスビルを供給しているジャパンエクセレント投資法人と本投資法人との間に利益相反に関する直接的な問題は生じない」と説明している。

 一方、スプリング・インベストメントは、豪州証券取引所に上場しているアストロ・ジャパン・プロパティ・トラスト(AJA)が投資する日本国内の不動産の運用業務などを手がけている。AJAは2005年にバブコック・アンド・ブラウン・ジャパン・プロパティ・トラストとして上場、2009年に現在の名称に変更した。日本国内のオフィスビルや商業施設、住宅を所有しており、2010年1月時点の資産総額は鑑定評価ベースで1195億円だ。

 旧スポンサーのジョイント・コーポレーションは2009年5月、東京地方裁判所に会社更生手続開始を申請して経営破綻した。当初はジョイントグループ一体での再生をめざしていたが、投資法人で独自にスポンサーを選定する方針に切り替えた。ジョイント・コーポレーションについては、投資事業などを手がけるレノ(本社:港区)が新スポンサーに決まっている。