ニューシティ・レジデンス投資法人は10月9日、東京地方裁判所に民事再生手続開始を申請し、受理されたことを明らかにした。負債総額は1123億6500万円。上場REIT(不動産投資信託)では初めての経営破綻となる。東京証券取引所は11月10日付で上場を廃止する。

 同投資法人は9月、短期借入金125億円をリファイナンスできず、保有物件を売却して返済に充てるなど、資金調達が円滑に進まなくなっていた。10月末までに取得予定の資産の決済資金と、10月中に返済期限を迎える借入金の返済のめどが立たない状況となり、民事再生手続きを申し立てるに至った。

 投資法人は10月末までに、池袋のタワーマンション「マイアトリア池袋トーキョー・プレイシャス・タワー」を276億9100万円で取得する予定だった。10月中に返済期限を迎える借入金は中央三井信託銀行など4行からの短期借入金で、借入残高は45億円だ。

 ニューシティ・レジデンス投資法人の2008年2月期(2007年9月~2008年2月)決算の営業収益は62億5200万円で、24億5300万円の純利益を上げていた。10月9日時点の投資口価格は、前日比1万円安の7万1000円だった。総運用資産は取得価格ベースで2117億8800万円だ。