東京にある優良な賃貸オフィスビルを選出する――。日経不動産マーケット情報ではこのような企画に取り組みました。7月23日に本誌が発刊する書籍「東京オフィスビル名鑑2010」では、都区部の主要賃貸オフィスビルの概要データを掲載しています。このデータを基に、「地震リスク」「設備・管理」「環境対応」「立地条件」の4項目で513棟のビルを採点し、上位50を「東京の賃貸オフィスビル50選」として発表しました。8月号に掲載しています。

 50選の結果はこちらの記事をご覧ください。優良ビルでは丸の内・大手町地区の新築ビルが目に付きます。このエリアは建て替えや再開発が一気に進んだことで設備スペックが高い新築ビルが多く、交通アクセスなどの立地条件も良いため、50選に17棟ものビルが名を連ねました。他のエリアを見ると2005年以降に完成したビルが多くなっています。この数年でビルのスペックが高くなり、環境配慮への取り組みも急速に進んだことをうかがわせます。50選とは別に、築20年以上が経過したビルだけを対象に優良ビルを選んでいます。この結果もあわせて併せてご覧ください。

 8月号では、名古屋市の不動産投資市場動向も特集記事として掲載しました。かつて買い手の主役だったREIT(不動産投資信託)やファンドが、いまは物件売却を進めています。取引の中心は10億円未満のビルで、買い手としては地元の企業や個人が目立っています。ただ、一部のファンドや大手デベロッパーのなかに、マンション用地の取得を積極化するところも出始めました。特集記事ではこうした市場の最新状況をお伝えするとともに、ここ1年間の取引事例についてマップと一覧表で示しています。

 売買レポートには、中央区の商業施設ギンザ・グラッセ、表参道・キディランドの土地、マンションのシティヴィラージ杉並方南町など、20事例を掲載しています。オフィス移転・賃料調査は中央区を取り上げました。2010年10月の開業を予定している室町東三井ビルディングのテナントが、徐々に明らかになってきました。ダイジェストには、米ファンド運用会社のFortress Investment Groupがダヴィンチ・ホールディングスの実質的なオーナーとなったことを伝えた記事を掲載しています。

徳永 太郎