東京で開催中の安藤忠雄建築展に先日、行って来ました。「挑戦-原点から」というテーマを

掲げた展覧会には1969年の安藤忠雄建築研究所設立以来の作品が模型やパネルで紹介されています。


自然と一体化した建築の原点が、あの有名なコンクリート造の2階建て住宅、「住吉の長屋」ですが、



ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、会場には



実物大スケールモデル



が展示されているのです。



会場の「ギャラリー・間(ま)」では、2つのフロアを突き抜け、テラスへのガラス窓も撤去して、

上下2階、屋内外を突き破ったように作られたこの巨大な模型は、一見の価値がありますよ。




 超満員の会場で行われたギャラリー・トークで講演する安藤忠雄さん    
   
「住吉の長屋」のミニチュアモデル。真ん中が吹き抜けになっており、雨の日はトイレに行くのも傘が必要だ    

安藤建築の原点ともいえる「住吉の長屋」の実物大スケールモデルは、「ギャラリー・間」の床、壁を突き抜けるように屋内外、2階にわたって作られている(左)。2階(右上)と1階(右下)

吹き抜けから見上げると実物同様に空が見える(左)。渡り廊下を2階の部屋から眺めたところ(右上)とガラス窓を撤去した跡を横断する壁(右下)
階段のある吹き抜け部は「ぜひ、雨の日に見に来てください」と安藤さん(左)。外から見るとこのような状態で建っている(右)


会場を訪れた日は、ちょうど「ギャラリー・トーク」が行われており、安藤氏が超満員の来場

者の前で30分ほどの講演しました。


住吉の長屋の特徴は、真ん中に吹き抜けと階段があり、屋外に直結していることです。雨の日には

トイレに行くのも傘が必要で、冬は当然、相当寒くなります。


そこで飛び出したのが、「住吉の長屋ネタ」。施主と安藤氏とのやりとりを再現したものです。


「寒いときは、どうしたらいいんでしょうか」

「服を1枚多く着てください」


「それでも、寒かったらどうしたらいいんでしょうか」

「服をもう1枚、多く着てください」


「それでも、寒かったらどうしたらいいんでしょうか」

と続いたとき、オチとなるのがその答えで、



「○○○○○ください」



というもの。この瞬間、住吉の長屋前の会場は大爆笑の渦に包まれました。

(ネタバレ防止のため、オチは伏せさせていただきました)



今月、私は安藤氏のトークを3回聞きましたが、実はこのネタも3回聞きました。

それでも、大爆笑させられました。


先日の記事でも、前の2回についての話をご紹介しましたが、読者の方から「安藤先生の講演はもはや

古典落語の境地にある」とのコメントをいただきました。全く、同感です。


住吉の長屋ネタのオチが気になる人は、11/29、12/13、12/19にもギャラリートーク(※)があります

ので、ぜひ、会場で確かめてみてください。


(※)追加情報:12/13は混雑が予想されていますのでなるべく避けてください。また、12/12にも追加講演が決定しました。