Vol.003 エネルギー
目次
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熱利用のロスを招かない街づくり~エネルギーと街
中上英俊氏 住環境計画研究所 所長
「今まで、エネルギー問題を街づくりの視点で語ることは、ありそうで実はあまりなかった」。エネルギー問題に関する政府の委員会委員などを歴任する住環境計画研究所所長の中上英俊氏は、そう指摘する。
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省エネは住民の意識づくりから~エネルギーと街
河合淳也氏 三井不動産 柏の葉キャンパスシティプロジェクト推進部長
街づくりの連携は産・官・学から公・民・学へ――。千葉県柏市の「柏の葉キャンパスシティ」で、市民やNPOなどの力をこれまで以上に活用する地域主体型の開発が進んでいる。
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走っていない「23時間」が価値に~エネルギーと街
二見徹氏 日産自動車 電子技術開発本部 IT&ITS開発部 エキスパートリーダー
「自動車が走行しているのは実は1日のうち1時間程度で、残り23時間はどこかに停められている。定置型でない蓄電池として利用すれば、その23時間が非常に高い価値を生む」と日産自動車の二見徹氏は語る。
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建物内の機器と交信して電気使用を管理
スマートメーター 「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
スマートメーターとは、双方向通信機能を持ち、建物内の機器類の電力利用状況を管理できる高機能型の電力メーターを指す。太陽光発電など再生可能エネルギー設備の管理にも役立ち、スマートグリッドの構築に貢献する技術として期待がかかる。
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電力を生かす「蓄電」に残る課題は?
蓄電池~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
住宅向けの蓄電池は、家庭内の電力利用を効率化するスマートハウスを実現するための重要なエネルギーインフラとなる。住宅にふさわしいシステム構成が固まっておらず、安全基準が定まっていないなど、導入のための障壁がまだ多く残っている。
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家庭用コージェネとしての普及から目指す
燃料電池~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
まず家庭用での普及を目指す燃料電池については、従来主流のPEFC型に加えて、小型化が可能なSOFC型の販売が始まった。2015年ごろの実用化に向けて燃料電池車にも課題解決のめどが付き、先行して水素ステーションを整備する段階に入った。
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余剰電力の買い取りが後押し、「メガ化」も進む
太陽光発電~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
太陽光発電とは、建物などに設置した太陽電池を使い、太陽から届く光のエネルギーを直接、電力に変換する発電方式である。低炭素社会を支える技術として、住宅やビル、工場での電力需要ピークの緩和などを担い、大規模な発電所での活用も進む。
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「空気」を利用して冷暖房効率を高める
断熱材~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
断熱材とは、建物躯体に施工し、伝導や対流、放射によって熱が伝わることを防ぐ材料である。冷暖房の効率化などに寄与する。原材料は主にガラスやプラスチックで、空気やガスをいかに小さい体積に分け、動かないように固定できるかで性能が決まる。
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Low-E採用の複層ガラスで性能を高める
断熱ガラス~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
断熱効果が高いのは、複数枚の板ガラスを重ねた間に空気層を設けて、一つのユニットを構成する複層ガラスである。薄い金属膜を堆積したLow-Eガラスの併用により、気候条件などに合わせて使い分けるタイプの複層ガラスも登場している。
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断熱性とデザイン性の双方を満たす窓
断熱サッシ~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
サッシの断熱性能については、外部からの熱を伝わりにくくするための材質や構造などの工夫により、その向上を実現してきた。複層ガラスの採用、窓枠の材質の改良などといった開発を経て、デザイン性との兼ね合いを考慮した取り組みも登場している。
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便座暖房と温水化の効率アップが進む
衛生設備(トイレ)~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
衛生設備の分野では、従来と同じ効果を保ちながら、温水づくりの電力や洗浄水の量を削減したトイレの普及が進んでいる。快適さのために欠かせない便座の暖房や、シャワーの温水化などにも、消費電力の無駄をなくすための工夫が重ねられてきた。
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輻射式や高知能化で進化する省エネ空調
空調~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
空調機による送風だけではなく、「輻射」と呼ぶ性質を利用することで、効率的な空調を実現しようとする動きが出ている。家庭用の空調機では、センサーを使って送風をコントロールし、快適性を維持しながら省エネを実現する製品が登場している。
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塗る・貼るの簡易な工法で熱を遮断
遮熱塗料、遮熱・遮光フィルム、中間膜~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
簡易な工法で省エネを実現できる製品として、遮熱塗料や遮熱・遮光フィルム、中間膜を挟んだ合わせガラスなどがある。太陽光を反射することで外部からの熱の侵入量を低減し、住宅やビル内部の温度上昇を抑えて空調のコストを削減する。
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住宅やビルの蓄電池・非常時電源にEVを
電気自動車(EV)~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
電気自動車を蓄電池として扱い、太陽光発電などと組み合わせて住宅やビルで電力供給に活用する取り組みが始まっている。非常時の電源に用いる、バックアップ用として電力需要の高い時期のピーク電力を抑える役割を持たせる、などの使い方ができる
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必要な個所に必要な量の照明を使う
照明(LED、有機EL)~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
照明の省エネ化に向けて、白熱電球や蛍光灯からの代替が進むLEDや、形状の自由度が高い有機ELの普及に期待が高まる。LEDでは必要な個所に必要な量だけを使う方法、有機ELではあらゆる面をそのまま発光させる方法など、可能性が広がった。
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無線給電が住宅設備にも変化を促す
ワイヤレス給電~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
ワイヤレス(非接触)給電とは、電源ケーブルを使わずに機器類に電力を供給する技術を指す。応用範囲の拡大が加速している。スマートフォンに搭載されたのを機に実用化を目指す動きにはずみが付き、電気自動車に利用するための開発なども進みつつある。
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電動モーターを併用する省燃料型の建機
ハイブリッド建機~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
ハイブリッド建機とは、2種類以上の異なる動力源を持つ建設機械である。軽油を使うエンジンと電動モーターで駆動する製品がある。同じ使い方の場合に、既存の建機と比較して軽油の使用量が少なくて済む利点があるので、二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる。
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建物が使うエネルギーを情報通信技術で最適化
エネルギーマネジメントシステム(HEMS、BEMS等)~「省エネ・創エネ・蓄エネ」の基本を解説
エネルギーマネジメントシステムは、住宅やビル、工場などにおいて、建物や一定エリアでのエネルギーの使用を最適化するシステムを指す。情報通信技術によって照明や空調などの機器類を自動的に監視してエネルギー利用状況を把握し、需要予測に基づいて機器類を制御する。