Vol.026 省エネ・創エネ・蓄エネ 最新動向 2014
目次
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高齢者が住み続けるためのエコ改修
吹き抜けで通風と採光、K邸(小渡建築設計室)
小渡建築設計室が設計した一戸建ての改修事例が、横浜市の既存住宅エコリノベーション事業コンペ(2013年度)において最優秀賞を受賞した。耐震性、断熱・省エネ性の向上とともに高齢者のライフスタイルの提案をしたことで高い評価を得た。
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札幌で挑む、大開口の低炭素住宅
デザインと温熱環境の両立を目指す、胡桃の家(ケント・ハウス)
札幌市を拠点とするビルダー、ケント・ハウスは、地元では営業部門を持たないユニークな工務店として知られ、在来工法で開放感のあるデザイン性の高い住宅を手掛けてきた。「胡桃の家」では大開口で開放的なデザインで低炭素住宅の認定取得に挑んだ。
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マンション向けエネファームを初採用
設備と暮らし方を検証、ブランズシティ品川勝島(東急不動産)
家族構成やライフスタイルによって、家庭のエネルギー使用量は大きく異なる。一方で、建物の仕様や省エネ設備の種類との相性もある。東急不動産は、エネルギー使用状況をクラウド型HEMSで収集・分析し、住まいと設備と暮らしのベストミックスを産学協同で検証する。
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LPガス蓄エネで災害対応、集合住宅や戸建てでも
停電時の自家発電を可能に
今年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、LPガスは石油とともに災害時のエネルギー供給の「最後の砦」と形容された。個人住宅にも備蓄可能で、災害時にも供給しやすいのが利点だ。このLPガスで発電することにより、停電に備える動きがある。
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テナントに省エネ成果を還元する“普及版”エコビル
普及技術を積み重ねてCASBEE Sランク相当、横浜アイマークプレイス(清水建設)
オフィスビルの環境配慮設計は、先端技術で重装備した事例から、一般的な技術をちりばめた普及版へと広がりを見せている。横浜アイマークプレイスでは、吹き抜けの活用やLED照明の導入などで省エネルギー化を図りつつ、その成果をテナントに還元する仕組みを取り入れた。
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空調を切って窓を開ける省エネオフィス
川風と地中熱を活用、NTTファシリティーズ新大橋ビル
NTTファシリティーズの新研究拠点がこの7月にオープンする。独自開発の輻射空調システムなど新しい省エネルギー技術や、隅田川沿いという立地を生かして自然通風を取り入れた設計などにより、CASBEE Sランク(BEE値3.6)相当を達成。LEED(ゴールド)を申請中だ。
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中小テナントビルの省エネ化、認定制度創設の動きも
維持管理データやノウハウを蓄積、老朽化や光熱費高騰への備えを
ビルの老朽化やエネルギーコスト高騰を受けて、中小ビルの省エネ性能強化に向けた取り組みが活発化している。ザイマックスはビルのエネルギーコストを指標化し公表をはじめた。全国ビルメンテナンス協会は設備運用の標準化や資格制度創設に向けて動き出した。
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LEED v4から読み解く省エネ、環境配慮トレンド
エネルギーだけでなく健康も
「LEED」は、USGBC(米国グリーンビルディング協会)が開発、GBCI(グリーンビルディング認定協会)が運用しているグリーンビルディングの認証システムだ。米国以外にも150の国や地域で利用されている。最新版のLEED v4を見れば、グリーンビルディングの国際的なトレンドが見えてくる。
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「エコ住宅」が分譲条件、オガールタウン
岩手県紫波町、官民連携で公共施設や商業施設とも一体整備
岩手県中央部に位置する紫波町。人口約3万4000人弱の自治体が進める駅前開発事業「オガールプロジェクト」が全国から注目を浴びている。遊休状態だった町有地にサッカー場、官民複合施設などを集積して賑わいを生み出した。ここに57戸のエコ住宅街区が生まれようとしている。