松尾和也の脱!なんちゃって省エネ住宅
目次
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断熱~気密~パッシブと進化する工務店の省エネ住宅
年間数十社を対象に設計セミナーで工務店にアドバイスをする筆者の松尾和也さん。意欲的な工務店が、つまずく点をいくつも見てきました。連載の最終回は、工務店がなかなか実現できない五つの課題を挙げていただきます。そのうえで、どのようなステップアップを経て省エネ住宅を実現するかを解説してもらいます。
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激減するエアコンの「再熱除湿」
「家庭用エアコンのドライ運転は冷房運転より省エネ」と思っている一般の人は多いようです。しかし、省エネに詳しい専門家の間では、ドライ運転の方がエネルギーを消費するというのが“常識”でした。ドライ運転では「再熱除湿」方式が主流だったからです。ところが、最新の機種では、さらに状況が違ってきているそうです。…
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ローコスト住宅ほど「太陽に素直な設計」を!
熱の取得を増やし、損失を抑えることを「太陽に素直な設計」と呼ぶ松尾和也さん(松尾設計室代表)。特にローコスト住宅を求める建て主に対しては、冷暖房費を抑える「太陽に素直な設計」が不可欠と説いています。そんな設計が実施できているか否かをチェックする三つのポイントを解説してもらいます
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洞窟のように涼しい高断熱住宅を実現するには
工務店の中には、夏の「オーバーヒート」を理由に高断熱化を躊躇する意見があります。パッシブハウスに詳しい松尾和也さんは、こうした意見を払拭すべく、洞窟を例にオーバーヒートの原因と防止策を分かりやすく解説します。
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暖かい住宅を知る人が少ない日本の実情
「前に住んでいた住宅が寒かった人か、逆に暖かかった人ほど次に建てる住宅に高断熱を求める傾向にある」――。こんな調査結果に触発された当コラム筆者の松尾和也さん。「暖かい住宅に住んだことがある人は、日本にどのくらいいるのか」と、独自の概算を試みました。その結果は、わずか10人に1人でした。概算に用いた数…
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災害時にこそ求められる、夏涼しく、冬暖かい家
4月に発生した熊本地震では、繰り返し起こる余震の影響で、避難所やクルマで過ごす人が多く見られました。省エネ住宅を数多く手掛けてきた松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんは、災害時に住宅がシェルターとして機能することを提案します。その条件として、耐震性に加え、エネルギーの供給が途絶えても自立すること…
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暖かさだけじゃない!豊かな生活を実現する省エネ住宅
省エネ住宅によって「豊かな生活」を手に入れる方法は、暖かさだけではありません。欧州で実際の住まいを何度も訪ねている松尾和也さんが、日本と明らかに違う点を解説します。その上で、松尾さんが建築設計者として実践するアイデアを提案してもらいます。
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主要4社のエアコンを分析、効率よい製品を選ぶには
正しい知識に基づいた省エネ住宅づくりを、この分野で数多くの実績がある松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんが解説するシリーズ。今回は、前回に続いてエアコン選びがテーマです。主要4メーカーの製品を分析したうえで、高性能住宅に適した能力や、コストパフォーマンスのいい機種などを解説します。松尾さんがどん…
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畳数だけで大丈夫?間違いだらけのエアコン選び
みなさんはエアコンをどうやって選んでいますか。木造か鉄筋コンクリート造か、畳数はどのくらいか――。これだけしかチェックしていないとしたら、過大な能力の機種を選んでいるかもしれません。住宅の断熱性能や気密性能に基づいて適切な能力を計算する方法を、松尾設計室の松尾和也代表に解説してもらいます。
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どっちがお得?エアコンの連続運転 vs 間欠運転
「24時間ずっと家中を暖かくするなんて金持ちの道楽。庶民には到底できない絵空事だし、エネルギーの無駄遣いでもある」――。こうした日本人の常識は、はたして本当なのでしょうか。シミュレーションデータを使って、松尾設計室の松尾和也さんに解説してもらいます。(編集部)
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今すぐできる!自宅のお得な省エネ対策
既存住宅の省エネ化を考える際、何から手をつければいいだろうか。松尾設計室の松尾和也さんは、「まずは高効率給湯器に交換すべき」と提案する。その他にも、浴室、シャワーヘッド、窓まわりなど、今すぐにでも実践できる対策はたくさんある。今回は、費用対効果が非常に大きく、原価回収年数が短く済むお得な項目を中心に…
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コストアップせず、冬に暖かい住宅をつくる
省エネ住宅を手掛ける実務者の間では、熱損失係数(Q値)や相当隙間面積(C値)から外皮平均熱貫流率(UA値)に興味・関心が移ろうとしている。松尾設計室の松尾和也さんにも、「UA値をどのくらいにすればいい家になるのか?」という質問が多く届くという。そこで今回は、健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する設…
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大阪は東京より蒸し暑いって本当?
今年も本当に蒸し暑い夏が続いている。蒸し暑さを測る指標として湿度が一般的だが、湿度には相対湿度と絶対湿度がある。その違いと、加湿や除湿の考え方を松尾設計室の松尾和也さんが解説する。
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レンジフードで月4000円の損失!?
高断熱・高気密に取り組む設計事務所や工務店が増えています。そんな状況下でもパッシブデザインの視点が抜けがちなことを、松尾設計室の松尾和也さんはこれまでの連載で伝えてきました。今回は、なかでも特に見逃しやすい設備としてレンジフードを取り上げます。
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「住宅貧乏」を生み出す負の連鎖を断ち切れ
金銭的に余裕がないために、イニシャルコストを節約して省エネ仕様を落とすケースがあります。そうなると住み始めてから冷暖房費が余計に掛かり、健康を損なって医療費も増大し、建て主はさらに貧しくなっていきます。こんな「住宅貧乏」をなくす方法を、松尾設計室の松尾和也さんが伝授します。
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無駄な仕事を減らすパッシブデザインの極意
松尾設計室の松尾和也さんは、パッシブデザインとは「太陽に素直な設計」と言います。省エネの観点で非常に重要であるだけでなく、中小の工務店が生き残っていくための戦略でもあります。今回は、パッシブデザインが仕事の無駄を省く効果について解説します。
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受注力アップ、パッシブデザインのプランニング手法
前回の連載で、日本の住宅の実情に合ったパッシブデザインについて解説しました。今回は、実際のプランニング手法を紹介します。松尾設計室の松尾和也さんは、パッシブデザインを考えるための図面には、方位と境界線が欠かせないと言います。
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パッシブデザインの極意、風より太陽を旨とすべし
世の中にはパッシブデザインが溢れています。松尾設計室の松尾和也さんが考えるパッシブデザインとは、「風より太陽を旨とすべし」です。いつものようにデータを駆使し、日本の住宅の実情に合ったパッシブデザインについて解説してもらいます。
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断熱するならコスパと快適性から考えよう
住宅の断熱性能をアップしたい場合、どこから手をつければいいでしょうか。断熱材の仕様から考える人が多いようですが、本当は、(1)窓、(2)換気、(3)外壁の順です。松尾設計室の松尾和也さんが、その理由をわかりやすく解き明かします。話題の床下エアコン暖房の設計手法も伝授します。
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断熱リフォームが高齢者を救う
「脱!なんちゃって省エネ住宅」と題して連載を始めましたが、こういうタイトルにするとなぜだか「新築住宅をいかに省エネ住宅にするかの技術論」を期待されるようです。省エネに詳しい松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんに、リフォームでも省エネの視点が欠かせない理由を解説してもらいます。(編集部)