ケンプラッツ Special

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オートデスク株式会社/広告企画

トップインタビュー 米国オートデスク
インフラストラクチャ ソリューション本部 副社長
クリス・ブラッドショー氏

3月に公表された国土交通省の「CALS/ECアクションプログラム2005」では、情報共有・連携が大きなテーマとなり、建設産業では維持補修市場が急成長している。2007年には企業の技術を支えてきた“団塊の世代”の大量退職が始まり、技術者一人当たりの生産性の向上が求められている。こうした問題を3次元CAD、GISの活用による業務改善で解決するビジョンをオートデスクのバイスプレジデント、クリス・ブラッドショー氏が語る。



CALS/ECを業務効率化に生かす

 CALS/ECアクションプログラム2005では、「数量計算をCADで可能とする体制整備によるコスト縮減」や「完成図を利用した管理図の蓄積・更新の迅速化・効率化」、「3次元情報の利用を促進する要領整備による設計・施工管理の高度化」などの目標が掲げられた。技術者もこれらの業務改善の効果に期待しているようだ。

 線や円などの図形で表現する2次元CADだと図面を描き直すたびに、構造物などの情報が欠落していき、転記の手間がかかるほかミスも起こりやすくなる。そこで、プロジェクト全体のワークフローを見直して、設計、施工の業務効率化を図るには、構造物を3次元のモデルで表した「モデルベース」の業務に切り替えることが有効だ。

 建設のツールが2次元から3次元に移行するとき、最も重要なことは一つのモデルを通じてプロジェクトに必要な情報がすべてのワークフローで共有され、後工程へ伝達されていくという情報の蓄積性があることだ。

 最初は少し手間ひまがかかるが、構造物の3次元モデルをいったん、作っておくと、これに土木、設備、維持管理の各業務で必要な情報を、追加、蓄積することができる。

 例えば、数量計算表が必要になったときには、モデルに蓄積された部材名、数量などの情報を引き出すだけで自動的に作成できるのだ。

GISシステムでの統合管理

米国カリフォルニア州ガーデングローブ市では、構造物の情報を一つのGISシステムで統合管理している(右)。
同市で行われている配管工事(左)と市庁舎の建物(下)



製図の手間を劇的に減らす

 今の土木技術者は製図に多くの時間を費やしすぎている。2次元CADでは、最初の作図はもちろん、その後の設計変更に応じた修正や図面間の整合性チェック、という膨大な単純作業にマンパワーが必要だからだ。そのため、本来の設計自体に費やす時間が減っている。

 一方、モデルを使って設計すると、高品質な2次元図面を大量に、自動作成してくれる。というのも、設計に修正が生じたとき、数千枚の図面があったとしても、一つのモデルを修正するだけでコンピューターが自動的に直してくれるからだ。その分、生産性は上がり、土木技術者はより本質的な設計に時間を使うことができる。

 これまでの電子納品では、技術情報をファイルで保存することがメーンのテーマになっているが、サーバーやモデル、データベースによる情報共有に変わってくると、業務効率化の効果はますます高まると思う。

 現に、地理情報の世界ではLandXMLやGMLといった3次元モデルベースの情報共有規格ができており、成功例はたくさんある。CALS/ECアクションプログラム2005に盛り込まれている「GIS管理図に重ね合わせた施設情報管理の効率化」という目標も、世界の時流に乗っていると理解している。

中国、ロシアなどは一気に3次元化へ

 モデルベースデザインは米国では急速に普及した。さらに驚くことには、中国、ロシア、チェコ、スロバキア、ポーランドなどでも同様に急速に普及したことだ。

 これらの国々では2次元CADの世界を飛び越えて、一気にモデルベースによる設計の世界に飛び込んでいる。

 これらの国々では、建設プロジェクトが非常に多く、2次元CADベースではプロジェクト発生に設計業務が追い付かない。モデルベースによる設計、施工の成果は、こうした国々でも実証されている。

3次元モデル

道路の切り土、盛り土の3次元モデルをGoogle Earth上に配置し、完成形状をイメージした例


補修市場における3次元の優位性

 日本の公共事業では今後、新設工事は少なくなり、維持管理や補修業務が増える方向にあり、国や地方自治体の財政への負担が懸念されている。米国も日本と同様にインフラが整い、維持補修や改修などの比率が高まっている。

 しかし、この分野は技術進歩が早く、維持補修市場でもモデルベースの活用が有利になりつつある。

 例えば、古い橋を補修しようとしたとき、図面が残っていないことがある。そのときはゼロから仕事を始めないといけない。

 10年前は、橋の現況図を作るのに、多くの測量技術者を雇って測量し直す必要があり、コストがかかっていた。ところが今は3次元モデルならではの武器がたくさん用意され、安価に使うことができる。測量機の一種である3次元スキャナーで離れたところからレーザー光線を飛ばしたり、飛行機を使って航空測量を行ったり、GPS受信機を持って歩き回るだけで、素早く安いコストで現況図を作れるのだ。

 これらのデータとCivil 3Dを組み合わすと、現況図を3次元モデルとして簡単に手に入れられる。これをモデルのスタートラインとして、次々に補修工事の設計情報を追加していけば、業務効率も改善されていく。3次元スキャナーの価格も、この5年間に驚くほど下がり、3次元モデル作成のコストも大幅に下がった。

GISでライフラインと構造物を統合

 3次元CADとGISを組み合わせることにより、さらに情報共有・連携の効果を高めることができる。米国カリフォルニア州ガーデングローブ市にはGIS部と土木部があり、管理する構造物の情報を一つのGISシステムで統合した。二つの部が一つのデータベースを更新していくことで、道路や照明灯、建物、排水路などの情報を共有することができている。

 これまでは別々の部門が管理していた土木と建築の情報を結びつけることで、構造物の維持管理や災害時の対応など、あらゆる情報ニーズに一つのシステムで対応できるようになったわけだ。

 また、大規模な工事現場全体をGISで統合管理する使い方も行われている。ドイツのミュンヘン空港の建設工事では、すべての構造物をオートデスクの製品で設計、施工管理した。現場内には無線LANが設置され、無線LAN付きのノートパソコンを持って現場を歩きながら、不具合部分の是正などをGISシステムに向かって指示するようになっている。

2007年問題を3次元で解決

 日本では2007年から「団塊の世代」の大量退職が始まり、労働力不足や技術、技能の伝承が課題となっている。

 この問題に企業が対処するには、三つの解決法がある。一つは、個人の生産性を上げること。二つ目は、インドや中国などの他国にも人材を求めること。三つ目は人員の減少に対応して、受注する仕事量をコントロールすることだ。

 実際に、アラビア半島ドバイは、原油高による好況でプロジェクトが増えたため技術者が不足しており、日本将来像と似た状況にある。そこでドバイの建設会社は、インドや中国に募集広告を出して足りない技術者を採用している。

 とは言え、企業が業績を上げるための最も重要な解決法は、個人の生産性を上げることだ。その柱となるのが3次元モデルベースの採用による業務改善だ。

 モデルベースの設計に移行した多くのユーザーに話を聞いてみると、生産性は50%から90% と驚異的に上がったという。これまで1日かかっていた仕事が、1時間で済んでしまうことも現実にあるようだ。

 建設産業が直面しているこれらの課題の解決に、3次元CAD、GISが活用されることを期待している。

[お問い合わせ]

オートデスク株式会社
インフォメーションセンター

TEL: 03-5992-7878



クリス・ブラッドショー

クリス・ブラッドショー氏

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インフラストラクチャ ソリューション本部
副社長


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