帝国ホテル東京
帝国ホテル東京

 三井不動産は9月28日、帝国ホテルの株式33.16%を取得することを決めた。価格は861億8750万円。売り主は米サーベラス・キャピタル・マネジメント傘下の国際興業で、10月に決済する。

 帝国ホテルは、帝国ホテル東京(1011室)、帝国ホテル大阪(381室)、上高地帝国ホテル(75室)を保有、運営している。また、子会社を通じて直営のザ・クレストホテル柏を保有するほか、ザ・クレストホテル立川の運営を受託している。このうち千代田区内幸町にある帝国ホテル東京は、土地面積2万4379m2、延べ床面積24万250m2の規模で、26の宴会場を備える。2006年度の稼働率は78.5%だ。本館のほか地上31階地下4階建ての帝国ホテルタワーがあり、その一部はオフィスとして賃貸している。

 三井不動産は、帝国ホテル東京がある日比谷エリアの再開発計画を「両社で中長期的な視点から検討する」と発表している。



<追加情報:9月28日21時>

 帝国ホテルの小林哲也社長は28日夕方の記者会見で、「約170億円で帝国ホテル東京本館の設備を大規模改修している最中であり、15年程度は競争力を維持できる」と話した。ただし、1970年竣工の建物は天井高などの仕様が古く、いずれ建て替えが必要になる。商業施設などの開発ノウハウと資金力を持つ三井不動産を後ろ盾に得て、今後のプランを練る。

 三井不動産の岩沙弘道社長も、ホテルの建て替えを検討していることを明らかにした。「今後、周辺の地権者とも協議したい」(同氏)意向だ。同社が隣接街区に保有している日比谷三井ビルと三信ビルの建て替えと合わせて、エリア全体の活性化につなげていく。

本間 純