米ゴールドマン・サックス・グループと米エートス・キャピタルは10月5日、シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズの株式公開買い付け(TOB)に乗り出すと発表した。買い付け価格は1株あたり21万5000円。過去1カ月の平均価格に対して136%のプレミアムを上乗せした水準だ。最大約1560億円で発行済み株式の100%取得をめざしており、上場廃止を視野に入れている。期間は10月12日から11月8日だ。

 両社は、折半出資の特別目的会社(SPC)を通じて株式を取得する。株式の29%を保有するシンプレクス創業者の三上芳宏氏が、複数の候補企業に打診したうえで、両社を売却先に選んだ。米シティグループ傘下で、シンプレクス株の43%を保有する日興コーディアルグループもTOBに応募する意向を表明している。

 三上氏と日興の合計持分は72%。ゴールドマン・サックスとエートスは、シンプレクス株の80%、約1247億円分の買い付けをTOBの成立条件としている。

 シンプレクスは、ソロモン・ブラザーズ出身の三上氏が2002年に創業した不動産ファンド運用会社。2006年度(2007年3月期)末の売り上げは約444億円、営業利益は約149億円。運用資産残高(AUM)は約6221億円だ。