ダヴィンチ・アドバイザーズが7月23日まで実施してきた、テーオーシー(TOC)株の公開買い付けが不成立に終わった。1308円の買い付け価格に対して発行済み株式の約35%に相当する応募があったが、ダヴィンチの子会社が保有する約5%を足しても約40%。目標とした過半数に届かなかった。

 ホテルニューオータニの創業者一族が経営するTOCは、西五反田のTOCビルをはじめ、TOC有明、浅草ROXなどの不動産を保有している。TOCは1株800円でのMBO(経営陣による株式公開買い付け)をめざしたが5月に失敗。これを受けて、株式の約10%を保有していたダヴィンチが敵対的買収に乗り出した。当初1株1100円だった買い付け価格を、6月には1308円まで引き上げた。一方、TOC側はホテルニューオータニを通じた株の買い増しなどで対抗していた。