2006年末に不動産私募ファンドの運用資産総額は8兆2000億円、保有物件総数にして3427に達した――。社団法人不動産証券化協会(ARES)が会員を対象に実施した私募ファンド実態調査で、このような結果が明らかになった。同時期のREIT(不動産投資信託)の資産総額5兆4000億円と合わせると、証券化不動産の運用資産総額は13兆6000億円となり、昨年の調査から1.4倍に拡大した。

 調査は、協会会員267社のうち法律事務所、会計事務所などを除いた209社を対象とした。2006年12月末時点で私募ファンドを運用している企業は70社、総ファンド数は596だった。運用資産額を物件種別ごとにみると、オフィスが3兆4000億円と最も多く、全体の56%を占めた。次いで賃貸住宅(約9000億円、15%)、商業施設(約8000億円、13%)となっている。

 物件の所在地は東京23区が約2兆5000億円(55%)と多数を占めたものの、昨年の調査の64%から大幅に低下した。一方で、北海道地区、近畿地区、九州・沖縄地区など地方都市の資産額は一様に増加しており、投資対象エリアが全国に拡大している状況が浮き彫りとなった。私募ファンドの出口戦略については「他の私募ファンドへ売却」との回答が49%と最も多く、「J-REITへ売却」と答えたファンドも20%に上った。

<訂正> 2007年4月23日のニュース掲載時点で、商業施設の運用資産額を「1兆円、17%」と記しましたが、その後、社団法人不動産証券化協会が「約8000億円、13%」と変更しました。これに伴い、記事本文を訂正します。