2016年の中国資本による海外不動産への投資額は、2010年比14.8倍となった。海外のランドマーク不動産の取得も見られる。2005年以降の人民元の切り上げは対外資産に対する割安感を生み、2014年中ごろ以降に生じた人民元の先安感は海外不動産の取得を促す要因となった。2016年11月以降、矢継ぎ早に資本流出規制が発表された。当局は、外貨準備を利用して人民元レートを支えてきたが、資本流出のさらなる拡大を防ぐために資本移動の管理を強化した形だ。資本流出規制は個人投資家にも及んでいる。かつて、海外資本による中国不動産への投資においてルールづくりが進められたように、中国資本による海外不動産への投資でも包括的なルールが求められている。