2017年~2020年に開業予定のホテル客室数は、主要8都市で合計8万と2016年時点の既存ストックの32%に相当する規模になる見込みだ。なかでも三大都市は38%相当の新規供給がある。需要については、2020年の政府目標である訪日外客数4000万人を前提に推計。その結果、2020年時点で東京はストック数が必要客室数を3500室程度下回る見通しとなった。一方、大阪は1万3500室程度、京都は1万1300室程度ストックが上回る。ただし、両市ではこれまでは客室数不足から需要の潜在化や他都市への流出が起きていた可能性があり、ストック増による需要喚起も期待できる。また、主要8都市のホテル開発計画の9割以上は宿泊主体型で、うち少なくとも5割近くをビジネスホテルが占め、ホテルタイプの偏りが顕著だ。今後、ホテルの競争力を高めるために多様化する旅行者のニーズにいかに応えるかが重要になるだろう。

※三大都市は東京23区、大阪市、京都市。主要8都市はこれらに札幌、仙台、名古屋、広島、福岡の各市が加わる