日経不動産マーケット情報が2015年に伝えた大型不動産取引を金額順に紹介する。単独の物件として突出した金額となったのは中国投資有限責任公司(CIC)による目黒雅叙園の取得だが、企業買収や大型バルクセールも目立った。なかでも印象深いのが、米General Electric(GE)の不動産事業撤退に伴う一連の取引だ。

1位【約1430億円】 目黒雅叙園 ラサールが目黒雅叙園を取得、中国CICの出資で

ラサールが目黒雅叙園を取得、中国CICの出資で

米ラサール インベストメント マネージメントが1月30日、森トラストから目黒雅叙園を取得した。投資家である中国投資有限責任公司(CIC)から、同物件のアセットマネジメントを受託したとみられる。価格は公表していないが、約1430億円との情報がある。[全文]

2位【約1000億円】 G-TERRACE紀尾井町など26物件 PAGが合計1600億円のポートフォリオを取得、GEは撤退へ

PAGが合計1600億円のポートフォリオを取得、GEは撤退へ

PAGインベストメント・マネジメントが、相次いで国内の大型不動産ポートフォリオを取得したことが明らかになった。合計金額は約1600億円に上る。7月24日に取得したのは、米General Electricの不動産部門が日本国内に保有する約1000億円の...[全文]

3位【計約686億円】 イオンモール八千代緑が丘など5物件 [限]イオン5物件を686億円で売却、日本リテールファンド

三菱商事系の日本リテールファンド投資法人は10月14日、イオンが一棟借りしている商業施設5物件の売却を発表した。価格は合計685億6700万円だ。最も高額なのはイオンモール八千代緑が丘の280億1500万円。[全文]

4位【計585億円】 KW Investmentの住宅ポートフォリオ PAGが合計1600億円のポートフォリオを取得、GEは撤退へ

PAGが合計1600億円のポートフォリオを取得、GEは撤退へ

PAGは5月末にも、KW Investment(現・Kennedy Wilson Japan、本社:千代田区)から東京、大阪を中心とする50棟、2410戸の住宅ポートフォリオを取得している。物件価値は全体で585億円になる。[全文]

5位【523億円】 KIRARITO GINZA(キラリト ギンザ) [限]アゼルバイジャンが対日初投資、銀座の店舗を523億円で

キラリトギンザ

旧ソ連の産油国、アゼルバイジャンの政府系ファンドであるThe State Oil Fund of Azerbaijan(SOFAZ)は2015年8月、中央区銀座1丁目の商業施設、KIRARITO GINZA(キラリト ギンザ)を取得した。売り主はオリックスと米エリオット・マネジメント。価格は523億円だ。[全文]

6位【計約500億円】 MG池之端ビルなど24物件 [限]オフィスビル24棟を取得、いちごグループ

オフィスビル24棟を取得、いちごグループ

いちごグループホールディングスは、7月30日付で中規模オフィスビル24棟を取得することを発表した。総額は明らかにしていないが、約500億円とみられる。売り主は日本GEだ。このうち13物件、293億円相当については、傘下のREIT(不動産投資信託)であるいちご不動産投資法人への組み入れを念頭に、同REITヘ優先交渉権を付与する。[全文]

7位【計496億円】 リバーゲートなど3物件 [限]3物件を496億円で取得、大和証券オフィスがJPモルガンなどから

3物件を496億円で取得、大和証券オフィスがJPモルガンなどから

大和証券オフィス投資法人は2015年5月から6月にかけて、東京都内にあるオフィスビル3物件を総額496億円で取得する。売り主はいずれも米J.P. Morgan Asset Management(旧Aviva Investors)とPAGインベストメント・マネジメントが共同運用する東京リカバリー・ファンドなどのSPCだ。[全文]

8位【460億円超】 青山ビル [限]青山一丁目に約500億円投資、グリーンオーク

青山一丁目に約500億円投資、グリーンオーク

米グリーンオーク・リアル・エステートが、青山一丁目駅に直結した大型オフィスビルを取得した。価格は非公開だが、460億円を上回ったとみられる。売り主は三菱地所投資顧問のファンド。グリーンオークは今後20億円を上回る投資を行い、内外装を刷新する。[全文]

9位【約430億円】 ロジポート相模原 [限]相模原で21万m2の物流施設、地所系ファンドが400億円超で

相模原で21万m2の物流施設、地所系ファンドが400億円超で

三菱地所投資顧問が運用する私募ファンドは、神奈川県相模原市にある物流施設を取得した。売り主はラサール不動産投資顧問と三菱地所が共同出資する相模原プロパティー特定目的会社。価格は…[全文]

10位【約410億円】 赤坂ガーデンシティ [限]積水ハウス、赤坂ガーデンシティ持分を400億円超で買い戻す

積水ハウス、赤坂ガーデンシティ持分を400億円超で買い戻す

積水ハウスは同社の東京支社がある赤坂ガーデンシティの約7割を取得した。詳細は公表していないが、約410億円で取引されたとみられる。[全文]



11位~20位


【注】上記はいずれも2015年12月26日時点で価格が判明している事例のみを紹介した。




相次ぐ企業買収

不動産売買市場が過熱するなかで、企業買収により優良な資産を手に入れようとする動きも活発だった。1550億円の高値を付けたのはヒューリックによるシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(SIA)の取得。不動産投資法人については、三菱商事UBSリアルティがMIDリート投資法人を、大和証券グループが日本賃貸住宅投資法人をそれぞれ傘下に収めた。海外では米クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドと英DTZによる大型合併が決まるなど、動きの多い一年だった。

[限]シンプレクス争奪戦はヒューリックに軍配、浅草ビューホテルにも参画へ

SIA

シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(SIA)の買収合戦に決着が付いた。ヒューリックは10月28日、シンプレクスの株式を保有する米Aetos Capital Real Estate(エートス)のファンドとの間で株式譲渡契約を結んだことを発表した。11月30日をめどに買収を実行する。売り主のエートスによれば、関連会社2社を含めた価格は1550億円。[全文]

[限]サンケイビルがグランビスタを買収、札幌グランドホテルなどを運営

granvista

サンケイビルは3月13日、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズと共同で、札幌グランドホテルなどを運営するグランビスタ ホテル&リゾート(旧三井観光開発)を買収することを発表した。今回の買収額は公表されていないが、200億円強の借入金を含めた企業価値ベースで400億円〜500億円とみられる。[全文]

[限]新生銀行、650億円のノンリコース債権をGEから取得

新生銀行は5月29日、日本GEが保有する不動産ノンリコースローンポートフォリオを取得した。東京を中心としたオフィスビルやマンションなど約30物件を担保とする9本のローン債権からなり、額面総額は約650億円に上る。[全文]

その他