アジアのセクターリーダー。日本プロロジスリート投資法人はグローバルの上場・産業施設部門リーダーとして選出された(資料:GRESB「2016 Asia Snapshot」)
アジアのセクターリーダー。日本プロロジスリート投資法人はグローバルの上場・産業施設部門リーダーとして選出された(資料:GRESB「2016 Asia Snapshot」)
[画像のクリックで拡大表示]

 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を判断基準とするESG投資への関心が高まっている。

 世界の不動産事業者のサステナビリティー(持続可能性)の取り組みを評価するGRESB(グレスビー:Global Real Estate Sustainability Benchmark)が2016年の評価結果を公表。日本市場からは三菱地所系のジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)や野村不動産マスターファンド投資法人などが新たに加わり、参加者は46者となった。

 このうち上場REIT(不動産投資信託)は30。時価総額ベースで上場REITの約8割を占める。上場企業は少ないものの、イオンモール、ヒューリック、東京建物が名を連ねている。非上場の私募REITの運用会社としては、野村不動産投資顧問が初めて参加した。GRESBはセクターごとの優良事業者も公表している。グローバルの上場・産業施設部門で日本プロロジスリート投資法人が首位に選出された。

 GRESBは欧州の年金基金グループが中心となって2009年に活動を開始した。構成員の投資家・銀行は58社で、運用資産額は7兆6000億ドル(約760兆円)に上る。GRESBが活動の参加者である不動産事業者からデータを収集・評価し、投資先の選定などに役立てるしくみだ。全体では、世界63カ国に物件を保有する759の不動産会社やファンドが参加した。

 機関投資家の間には、長期に安定した収益を得るために、不動産分野でもサステナビリティーの取り組みが重要だとの考えが浸透しつつある。世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、ESG重視の姿勢を鮮明にしている。


日本市場からのGRESBリアルエステイト参加者

■上場 33者(33社)
アクティビア・プロパティーズ投資法人
アドバンス・レジデンス投資法人
イオンモール株式会社 †
イオンリート投資法人 *
大和証券オフィス投資法人 †
フロンティア不動産投資法人
GLP投資法人
平和不動産リート投資法人
ヒューリック株式会社
ヒューリックリート投資法人 *
いちごオフィスリート投資法人
産業ファンド投資法人 †
ジャパンエクセレント投資法人 †
日本ロジスティクスファンド投資法人
日本プライムリアルティ投資法人 †
ジャパンリアルエステイト投資法人*
日本リテールファンド投資法人 †
ケネディクス・オフィス投資法人 †
ケネディクス・レジデンシャル投資法人 *
ケネディクス商業リート投資法人 *
ラサールロジポート投資法人 *
MCUBS MidCity投資法人 *
森ヒルズリート投資法人 †
日本ビルファンド投資法人
日本プロロジスリート投資法人 †
野村不動産マスターファンド投資法人 *
オリックス不動産投資法人
プレミア投資法人
積水ハウス・リート投資法人 *
積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人
東京建物株式会社
東急リアル・エステート投資法人
ユナイテッド・アーバン投資法人 †

■非上場 13者(10社)
ブラックロック †
DBJアセットマネジメント株式会社
グローバル・ロジスティック・プロパティーズ株式会社
グッドマングループ †
インベスコ・リアル・エステート
ラサール不動産投資顧問株式会社
野村不動産投資顧問株式会社 *
PAG
レッドウッドグループ
株式会社ザイマックス不動産投資顧問

【注】カッコ内は会社数。1社で複数のファンドを運用している会社があるので参加者と会社の数が異なる。*は初参加、†は5年連続参加。英文表記のアルファベット順