積水ハウスは8月2日、東京都内の分譲マンション用地購入にあたり、取得資金をだまし取られたことを明らかにした。被害額は63億円に上り、民事・刑事の両面で対応を進めている。

 同社は4月24日、都内の土地約2000m2の売買契約を交わした。価格は70億円。契約の相手方が所有者から土地を取得し、直後に積水ハウスへと転売することになっていた。決済日の6月1日を迎え、弁護士や司法書士の関与の下、所有者から契約相手方、さらに積水ハウスへの所有権を移転する一連の登記申請を行った。しかし所有者の提出資料に真正でないものが含まれていたため、6月9日になって登記申請が却下された。以後、所有者とは連絡が取れない状況だという。

 同社は犯罪に巻き込まれた可能性が高いと判断し、捜査機関に被害を申し立てた。今後、支払い済み代金の保全・回収に注力していく。なお捜査上の機密保持を理由に、取引の詳細については明らかにしていない。