愛知県の大村秀章知事
愛知県の大村秀章知事
[画像のクリックで拡大表示]

 愛知県は6月24日、コンセッション(運営権売却)方式を導入する有料道路の優先交渉権者として、前田建設工業を代表とする企業連合を選定したと発表した。運営権対価の提案額は1377億円。

 構成企業は、森トラスト、大和ハウス工業、大和リース、セントラルハイウェイ。マッコーリー コーポレート ホールディングスは連携企業として参加した。次点はオリックスを代表とする企業連合だった。

 コンセッション方式は、施設の所有権を公共側に残したまま、長期の運営権を民間事業者に売却するしくみ。民間の資金やノウハウを生かす手法として、仙台空港や関西国際空港・大阪国際空港、国立女性教育会館などで導入されている。道路事業はこれが第1号で、知多半島道路や中部国際空港連絡道路など8路線、総延長約70kmが対象だ。

[画像のクリックで拡大表示]

 審査は1次、2次の2段階で進めた。1次審査には5グループが挑み、3グループが通過したものの、うち1グループは確実な事業実施体制を構築できないという理由で2次審査を辞退した。2次審査は前田建設連合とオリックス連合が競った。

[画像のクリックで拡大表示]

 愛知県の大村秀章知事は選定理由について「一番の要因は提案価格、次に地域活性化だ。二つのパーキングエリアを新設する提案があった」と説明した。前田建設連合は新設と既設のパーキングエリアを一体として、新たな地域ブランドを創出する活性化策を提示していた。2016年8月に実施契約を結び、10月から事業を開始する予定だ。

 前田建設は、仙台空港のコンセッション事業の運営権も獲得している。