三越銀座店の屋上にあるテラスガーデン(写真:日経アーキテクチュア)
三越銀座店の屋上にあるテラスガーデン(写真:日経アーキテクチュア)
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三越日本橋本店。2007年撮影(写真:663highland)
三越日本橋本店。2007年撮影(写真:663highland)
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 三越伊勢丹ホールディングスの三つの百貨店が、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の不動産版で最高評価となるSランクの認証を取得した。オフィスなどと比べてエネルギー負荷が一般的に大きい百貨店が認証を取得したのは、CASBEE全体を通して初めてとなる。4月26日、三越伊勢丹ホールディングスに認証書を授与する。

 Sランクの評価を受けたのは、中央区日本橋室町1丁目の三越日本橋本店、中央区銀座4丁目の三越銀座店、新宿区新宿3丁目の伊勢丹新宿本店の3店舗だ。竣工したのはそれぞれ1914年、1930年、1933年と古い。しかし、建物の免震化や耐震改修のほか、空調設備などの省エネ改修、LED照明の採用、屋上緑化などを実施。テナントと一体で省エネ活動に取り組んでいることなども評価された。

 CASBEEの普及や認証制度の運営を担う一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の担当者は「築年数が経過した建物でも、良好なメンテナンスと企業の環境配慮によって、高い環境性能を維持できることを示した」と話している。3店舗の認証は、同機構から認定を受けたビューローベリタスジャパン(本社:横浜市)が審査を手がけた。

 CASBEE-不動産は、竣工から1年以上がたち、運用実績データを持つオフィスビルと店舗を対象とする。単位床面積あたりのエネルギー消費量や水使用量、自然エネルギーの割合、建物の耐震性、リサイクル材の利用率、生物多様性に向けた取り組み、公共交通機関の利用のしやすさ、昼光利用、自然換気などを評価。各項目のポイントの合計点に応じて、S、A、B+、Bの4段階で格付けする。

 2016年3月末時点で、CASBEE-不動産の認証を取得したのは90物件ある。そのうちSランクを取得したのは、飯野ビルディング(千代田区内幸町2丁目)や六本木ヒルズ森タワー(港区六本木6丁目)、イオンモールむさし村山(東京都武蔵村山市)など41物件となっている。