丸紅系のユナイテッド・アーバン投資法人は4月15日、14日に起こった地震やその後の余震によって、運用資産であるイオンモール宇城(熊本県宇城市小川町河江1-1)に天井パネルの一部剥離や床のゆがみ、外壁や内壁のひび割れなどが発生したと発表した。スプリンクラーが破損して漏水する被害も生じた。

 ただし、人的被害や火災、重大な物的被害はない。投資法人が九州地方に所有する他の物件も含めて、「運用状況に重大な影響を及ぼす被害などの報告はない」としている。

 イオンモール宇城は、熊本市中心部から南に22kmほどの場所にある。鉄骨造2階建て、延べ床面積6万3058m2の規模で、1997年に竣工した。投資法人は2004年に111億円で取得し、イオンモールと長期の定期借家契約を結んでいる。取得時の名称は、ダイヤモンドシティ熊本南ショッピングセンターだった。

 気象庁は15日午前0時3分に起こった余震の際、宇城市で長周期地震動の「階級4」を観測したと発表した。長周期地震動とは周期の長いゆっくりとした揺れで、鉄骨造の高層ビルなど柔らかい建物に被害を与えやすい。階級4は4段階に分けた階級の中で最大のもので、高層ビルにいる人は「立っていることができず、はわないと動くことができない」ほどの揺れ。気象庁が2013年3月に長周期地震動の観測情報を公表し始めてから、最大階級が観測されたのは初めてとなる。

 今回の熊本地震では、イオンリート投資法人が所有するイオンモール熊本(熊本県嘉島町上島2232)でも、外壁や内装の一部に被害が発生した模様だ。