事前の予測を60%以上下回る

 ところが、コンセッション方式を導入したSH130の交通量は、事前の予測を大きく下回った。2013年は514万台、2014年は598万台、2015年は689万台と年々増えたものの、収入は当初の計画と比べて60%以上少ない水準にとどまった。

 テキサス州運輸局は、渋滞するI-35にSH130への迂回を促す標識を設置したり、トラックの通行料を補助する制度を導入したりといった支援策を実施。コンセッション会社も2013年11月と2014年11月に通行料を段階的に引き上げた。

コンセッション会社のウェブサイト。「ブレーキランプだらけのI-35は避けて、SH130を通ろう」と訴えている(資料:SH 130 Concession Company)
コンセッション会社のウェブサイト。「ブレーキランプだらけのI-35は避けて、SH130を通ろう」と訴えている(資料:SH 130 Concession Company)
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 しかし努力は実らず、収支は改善しなかった。通行料は利用区間が長いほど増えるしくみで、2016年3月時点で乗用車は最大7ドル39セント(約830円)、一般的なトラックは同22ドル12セント(約2500円)となっている。

 コンセッション会社は交通量が予測を下回った理由として、長引く景気低迷を挙げている。加えて、広大な田園地帯を通るSH130の沿道にまばらにある市街地の開発の遅れも影響したと釈明している。現地紙のテキサス・トリビューンは、SH130のコンセッション方式の難しい点として、建設を含むグリーンフィールドの事業であったことを指摘する専門家の声を紹介している。