3月13日に開幕したMIPIMの会場(写真:ReedMIDEM)
3月13日に開幕したMIPIMの会場(写真:ReedMIDEM)
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 3月13日、南仏カンヌで不動産コンファレンス、MIPIM(ミピム)が開幕した。参加者数は事前登録者のみでも昨年の2万4200人を大きく超え、金融危機後の記録を更新するもようだ。欧米の不動産ファンド、仲介会社、金融機関を中心に、各地の地方自治体や建設・設計会社などが参加している。

 4日間のイベント期間中はイベント会場のパレ・デ・フェスティバルを中心に100を超える講演やパネルディスカッションが公式イベントとして用意されたほか、周辺のホテルやレストラン、港に停泊したヨットの上など周辺の至る所でイベントが開催されている。街は5月のカンヌ映画祭を先取りしたようなにぎわいだ。

 今年のテーマはUrbanization(都市化)。ミレニアルズを中心とする都心居住指向や、テクノロジーの進化を受けた都市政策に関するセッションがプログラムの中心的な位置を占めている。また不動産テックへの関心の高まりを受け、関連セッションが多く開催されているのも特徴だ。

 イベント2日目となる14日の午前中は日本市場をテーマとする二つのセッションを開催。朝8時からの「Japan Breakfast」では、国土交通省の榊真一官房審議官の挨拶に続き、昨年末に不動産部門のアジア拠点を東京に移した仏AXA Investment ManagersからはLaurent Jacquemin氏や、独Union InvestmentのEric Cheah氏が腰を据えて対日投資に取り組んでいく方針を表明。スポンサーのダイヤモンド・リアルティ・マネジメントからは、米国で運用している米国ファンドや、同社の英国デットファンドに対して、日本の投資家から高い関心が寄せられている現状が紹介された。

 日本からの参加者は110人を超え、うちジャーナリストの数も昨年の1人から4人に増えた。ついに動き始めた日本の機関投資家の資金に海外のファンドからの注目が集まっており、本誌記者も会場で質問を受ける機会が増えた。会場の様子は、日経不動産マーケット情報5月号の特集でさらに詳しく紹介する予定だ。

本間 純=仏カンヌ