WeWorkの進出でも話題になったGINZA SIX。その路面店区画にはラグジュアリーブランドが軒を並べ、4月の開業以来、順調に客足を伸ばしています。周辺への波及効果は大きく、銀座に新たなにぎわいをもたらしました。クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの調べによれば同エリアの店舗賃料は上昇し、昨年秋の世界店舗賃料ランキングで第5位にランクインしています。ただここにきて、店舗テナントの風向きが変わる兆しも出ています。日経不動産マーケット情報2017年11月号では、そんな銀座の今を特集しました。最近1年の取引動向はもちろん、店舗賃貸市場の動きも解説しています。いま銀座ではどのような風が吹いているのか、特集でご確認ください。

 11月号では、小誌が四半期ごとに行っている売買事例分析も掲載しました。第3四半期(7月~9月)も取引市場は比較的好調で、4四半期連続の前年同期比プラスを記録しました。記事では期間中に判明した大型取引をまとめたほか、個々のオフィスビル取引における推定利回りの算定なども行っています。同じ号に掲載した成約賃料調査によると、東京では賃料の伸びが一層鈍化しており、上昇余地は限られるとのこと。今後、市場の動きには敏感になる必要がありそうです。

 売買レポートでは、97億円のゴールドウイン本社ビルや977億円のシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル、190億円超の不二家銀座ビルなど21事例を収録しました。これらを含む取引131件を一覧表にまとめています。ダイジェスト欄にも、冒頭のWeWorkの出店や、金融機関の融資スタンスが厳しくなりつつあるといった気になる情報を掲載しています。併せてぜひご覧ください。

三上 一大