日本経済新聞や朝日新聞、J-WAVEといったメディアもプラットフォーム提供に乗り出すなど、今やすっかり社会に定着した感のあるクラウドファンディング。多様なサイトが立ち上がり、単なる資金調達にとどまならない、様々なプロジェクトが展開されています。不動産もその一つ。日経不動産マーケット情報2017年10月号では、不動産クラウドファンディングの現況を解説しました。現在、日本では12の事業者が不動産を扱っており、ケネディクスも野村総合研究所と共同での参入を決めました。業界共通のプラットフォームに育てていく考えで、今後、台風の目になる可能性を秘めています。しかし市場が拡大するにつれて課題も。不動産をめぐる新しいうねりを10月号でご確認ください。

 不動産会社にとってフロンティアの一つは、空港や公共施設といったインフラ市場でしょう。日本では公営企業による運営が多いですが、経営的には必ずしもうまくいっているわけではありません。そこで民間の「稼ぐ力」を、ということでコンセッション(運営権の民間売却)が広がりつつあります。インフラはオフィスや住宅のような競合がなく、基本的に地域での事業を独占する存在。うまく経営すれば、長期にわたり安定的なリターンが期待できます。不動産会社は現在どうインフラと関わり、市場は将来どうなっていくのか。インフラ投資の情報サイト「インフラビジネスJAPAN」の菅健彦編集長が、本誌10月号で解説します。

 10月号ではこのほか、半年ごとに実施している新築オフィスビル稼働率調査を掲載しています。いざなぎ景気を超え、緩やかながら戦後2番目の長期にわたる経済成長が視野に入った日本。好調な企業業績を受けて、新築ビルは高い稼働率を記録しています。今後1年以内に完成するビルのテナント内定率は66%に達し、半年前の調査と比べて25ポイントの大幅増となりました。記事では2015年10月~2018年秋完成の新築ビル57棟の稼働率を個別に紹介しています。ぜひご覧ください。

 売買レポートは、PAGがグリーンオークから100億円超で取得したNTビルや、JPモルガンが大阪で取得したアステリオ北堀江 ザ・メトロタワー、三菱地所物流リート投資法人が9月の上場に伴って取得した総額708億円の資産など、25事例を収録。これらを含む取引107件を一覧表にまとめています。

 なお小誌は9月26日(火)、ホテル投資に関するセミナーを東京で開催します。ジョーンズ ラング ラサールの沢柳知彦氏、ホテル評論家の瀧澤信秋氏、JITホールディングスの岩元哲也氏、民泊実務集団TEAM NanatsuBaの木下勝茂氏が登壇し、今後の宿泊施設市場について徹底解説します。残席が本当にわずかになっています。ご関心をお持ちの方は、お早めにお申し込みください。

三上 一大