REIT(不動産投資信託)の多様化が進む日本ですが、先を行く米国ではカジノ施設専門のREITまで登場しています。いまのところ米国内のカジノ施設のみを保有しているものの、そう遠くない将来、日本に投資する日がやって来るかもしれません。

 昨年12月、日本でIR(統合型リゾート)推進法が成立しました。カジノ解禁に道筋を付けるもので、今年2月に投資銀行のCLSAが開催したジャパンフォーラムには、世界の大手カジノオペレーターが集結。日本でのカジノ実現に並々ならぬ意欲を示しました。米4大カジノメジャーの一角を成すラスベガス・サンズとMGMリゾーツ・インターナショナルは、ともに100億ドル(1兆1400億円)もの投資を示唆しています。日経不動産マーケット情報2017年4月号(3月20日発行)の特集では、こうしたカジノをめぐる動きと不動産市場に与える影響を解説しました。ぜひご覧ください。

 4月号の売買レポートでは、三菱地所がM&Aを通じて山王パークタワーの6割を追加取得した事例や、シンガポールのキャピタランドによる500億円の投資、IHIが266億円の譲渡益を生み出した底地売却など、25事例を収録。これらを含む取引118件を一覧表にまとめています。

 このほか、東京にある新築オフィスビルの稼働率調査も実施しました。半年ごとに行っているもので、今回は2015年4月~2018年4月に完成する大規模ビル52棟が対象。その結果、竣工済み物件の稼働率が低迷気味であることがわかりました。ただ、ビルオーナーに焦りの色は見られません。その理由は4月号でご確認いただければと思います。

 とはいえ中期的なオフィス市況の見通しについては、やや弱気の意見が目立つようになっています。米国でトランプ政権が始動し、欧州ではEUの今後を占う選挙が目白押しとなるなか、日本の不動産市況は今後どう推移していくのか。日経不動産マーケット情報では、市況予測を専門とするアナリストたちに定期的に調査を実施していますが、企画が5周年を迎えるこのたび、市況を読み解く記念セミナーを開催することにしました。開催日は4月20日(木)。著名アナリストが集結する貴重な場です。皆様のご参加をお待ちしています。

 これに先立つ4月3日(金)には、上場来8年間で時価総額10倍、経常利益5倍を実現したヒューリック西浦三郎会長の書籍「ヒューリック ドリーム~企業の成長と社員のやりがい、トップは会社を変えられる」を出版します。社員に過酷な働きを課すことなく、むしろ年収を2倍に引き上げ、福利厚生を充実させながら、なぜこのような急成長を可能にしたのか。その秘密が明かされます。書店でぜひ手に取ってみてください。

三上 一大