急坂・急カーブのはざまに新たなホーム
洲崎川の直下にケーソン工法で造った南砂町駅。ホームは曲率半径500mの曲線上にあり、すぐ都心側には曲率半径203mという急曲線が存在する。また駅の1km東には、全長1.2kmの荒川中川橋梁があり、35パーミルという急坂で地上とつながっている。
同駅を通過する下り快速電車は、中野側の急カーブ通過のため低速で進入。急カーブを抜けきると、今度は加速へと転じて西船橋側の急勾配を駆けていく。
こうした構造を踏まえ、2面3線化工事は、既存ホームの海側(南側)を拡幅し、新たなホーム1面を設置。完成すると、真ん中の線路に列車を発着させることで、同一方向列車の交互発着が可能になり、列車遅延時に後続列車をホームへ着けられる。
また、上下線から真ん中の線路に進入できる分岐器を設け、折り返し運転ができる機能も追加。異常時の列車退避や折り返しにも対応させる。
地上から手を入れて、60年代に造られた地下駅空間を広げていく工事が進む南砂町駅。北側は江東区立第三砂町中学校や南砂三丁目アパートみどり団地、南側はヤマダ電機 テックランドNew江東新砂店やアシックスジャパン本社ビルに挟まれた細長い敷地の下で、地下空間を広げホームと線路を新設する工事が始まっている。
(関連記事:混雑率ワースト返上なるか、東西線で進む大改良)
<訂正>改良後の標準断面の説明文は向きが逆でしたので、「都心側を背にして、西船橋方を見たイメージ」に訂正しました。(2018年1月9日午前11時45分)