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東京大改造

都心直通、北綾瀬駅10両化の新ホーム

2017/11/27

綾瀬車両基地を背にし、3両編成の電車が停車中の北綾瀬駅を見る。手前は車両基地の引き上げ線(写真:大野 雅人)

 環七通りが東西を横切り、東京メトロ千代田線の線路や車両基地が南北に縦断する東京都足立区谷中。ここに、3両分の高架ホームを持つ“小さな地下鉄駅”がある。

 千代田線の東側の終点、北綾瀬駅だ。千代田線というと、都心の日比谷や赤坂、表参道を経由し、東側の綾瀬駅でJR常磐線、西側の代々木上原駅で小田急線へ直通する10両編成の電車がすぐに思い浮かぶ。しかし、この北綾瀬駅は、3両編成の電車しか止まらない。

 北綾瀬駅は、1つ手前の綾瀬駅から北へ分岐し、足立区谷中の綾瀬検車区(車両基地)へと続く車庫線上に、1979(昭和54)年に開業した。3両編成の電車が、綾瀬―北綾瀬間2.1kmをワンマン運転で往復している。

 この“地上を走る地下鉄ローカル線”がいま、大きく変わろうとしている。東京メトロは2014年2月、北綾瀬駅の10両対応化工事に着手すると発表した。既存ホームを南側に7両分延長し、新たに出入口を2カ所新設。代々木上原方面への直通運行に向けて整備する。

北綾瀬駅の現況(上)と改良後のイメージ(資料:東京メトロ)
しょうぶ沼公園からホーム工事箇所を見る。左側の上屋がある部分が既存ホーム(写真:大野 雅人)
綾瀬車両基地を背にし、環七通り北側出入口(階段・エレベーター)新設工事箇所を見る(写真:大野 雅人)
綾瀬車両基地(綾瀬検車区)。小田急の特急車両の姿も見える(写真:大野 雅人)

 事業者は東京メトロ、施工者は大林組。この綾瀬―北綾瀬間の10両編成化にかかる土木・建築・電気・車両など各種工事を含めた総事業費は約68億円だ。

ホームを135m延伸、新ホーム側に改札口

既存の3両対応ホームと延伸部分の接合点(写真:大野 雅人)

 10両編成分のホーム延長や出入口新設の工事が行われている北綾瀬駅。11月中旬に現場へ向かうと、新たなホームを設置するためのコンクリート構造物や、環七通り側に新しい出入口を造る工事が見えた。

 その具体的な工事は3つ。北から、環七通りの北側出入口と架道橋の新設、7両分のホーム延伸、しょうぶ沼公園側の出入口の新設だ。

 3両編成分の既存ホームを7両分延長し、10両編成に対応させる工事は、高架線路の西側(しょうぶ沼公園側)に約135mホームを延伸し、上屋やホームドアも設置する。現場では、新設ホーム用の鉄筋コンクリート製の橋脚や、アーチを描く桁が見えた。

しょうぶ沼公園からホーム延伸部分を見る。写真左側はしょうぶ沼公園出入口の工事箇所(写真:大野 雅人)
しょうぶ沼公園からホーム延伸部分を見る。写真左側は既存ホームと上屋(写真:大野 雅人)
ホーム延伸部分のコンクリート桁は、緩やかなアーチを描く(写真:大野 雅人)

 10両編成対応工事が完了すると、代々木上原方面への直通運行が始まる見込み。10両編成の電車は、既存の3両分ホームを北端とし、やや西へカーブしたホームに停車する格好になる。

2階部分に新改札口、環七通りを渡る架道橋も

千代田線の谷中環七架道橋を渡る小田急60000形電車。東京メトロ千代田線と小田急線を直通するメトロホームウェイ・メトロさがみ(平日)、メトロはこね(土休日)などに使用される車両が、綾瀬車両基地で休む(写真:大野 雅人)

 10両編成対応化工事が進む北綾瀬駅では、環七通り北側出入口としょうぶ沼公園出入口の設置工事も始まった。

 環七通り北側出入口は、環七通りをまたぐ架道橋を介して、既設の環七通り南側出入口と2階部分で接続する。環七通り南側出入口2階部分に改札口を新設し、乗降客は環七通りの横断歩道信号を待つことなく、跨道橋で環七通りを渡れるようになる。

環七通りを渡る駅利用者。この写真の左手に、環七通り北側出入口や架道橋がつくられる(写真:大野 雅人)
環七通り北側出入口工事付近を見る。既設のホーム2階部分から環七通りをまたぐ架道橋が延び、環七通り北側出入口と結ばれる(写真:大野 雅人)
綾瀬車両基地を背にして北綾瀬駅を見る。新設される環七通り北側出入口の北側には、車両基地の引き上げ線の線路が迫っている(写真:大野 雅人)

 しょうぶ沼公園に向いたしょうぶ沼公園出入口の設置工事も進む。代々木上原方から3両目付近の2階部分に新たな改札口が設置され、階段とエレベーターで地上と結ぶ。

北綾瀬駅のしょうぶ沼公園側(西側)には中小のマンションが建ち並んでいる(写真:大野 雅人)

 この北綾瀬駅10両編成対応化工事は、昼間(午前8時~午後8時)と夜間(午後8時~翌朝6時)に分けて実施している。11月から12月にかけては、主に昼夜に新設部分の鉄筋コンクリート工事や既設部分の耐震補強、夜間に信号機移設の工事などが行われる。

 工事完了は2018年度末の予定。2019年には、10両編成の千代田線の電車が北綾瀬駅まで乗り入れ、北綾瀬と代々木上原方面で直通運転が始まる見込みだ。

大野 雅人=フリーエディター [日経コンストラクション

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