羽田空港と川崎市を結ぶ新たな橋を多摩川に架ける――。東京湾岸の注目プロジェクト「羽田連絡道路」の建設工事が動き出す。

 川崎市と東京都が9月30日に起工式を開催する。総事業費は約300億円で、東京五輪が開かれる2020年度の完成を目指している。施工者は、設計・施工一括で受注した五洋建設・日立造船・不動テトラ・横河ブリッジ・本間組・高田機工JV。

羽田連絡道路の完成イメージ。右手側が東京都大田区の羽田空港跡地地区、左奥が川崎市の殿町地区(資料:川崎市)
羽田連絡道路の完成イメージ。右手側が東京都大田区の羽田空港跡地地区、左奥が川崎市の殿町地区(資料:川崎市)
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 羽田連絡道路は延長871mで、川崎市川崎区の殿町地区の国道409号と東京都大田区の羽田空港跡地地区の環状8号を結ぶ。多摩川に架かる橋長603mの鋼3径間連続鋼床版箱桁橋(複合ラーメン)と、川崎市側の取り付け部である橋長72mの鋼2径間連続鈑桁橋などから成る。多摩川上の橋には幅員7.5mの2車線の車道のほか、その両側に4.9m幅の歩道・自転車道をそれぞれ設ける。

 建設地には多摩川河口部の干潟が広がり、渡り鳥も飛来する。国土交通省の多摩川水系河川整備計画では、貴重な生態系を保持する「生態系保持空間」に位置付けている。そのため、橋梁は自然環境や渡り鳥への影響を低減するため、河川内の橋脚を2基(壁式橋脚)に抑え、上空に斜張橋のケーブルのような構造物が突出しない形式とする。

羽田連絡道路の平面図(資料:川崎市)
羽田連絡道路の平面図(資料:川崎市)
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羽田連絡道路の橋梁部の横断図(資料:川崎市)
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羽田連絡道路の橋梁部の側面図(資料:川崎市)
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