ヤード内の中央監視室に入る

 建設ヤードの中に設置された中央監視室で、トンネル工事について管理されている。

(写真:大上祐史)
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 大雨と呼ばれる1時間で50mmの降雨に対して、約80%を取り込める下水道の整備が工事の目的だ。工事費は約86億円。

 下水道管となるトンネルは、シールドマシンと呼ばれる円筒形の機械で掘り進められている。前面に付いた回転するカッターで地中を掘り進めながら、同時に、壁となるセグメントを組み立てる。

(写真:東京都下水道局)
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 この工事に使うシールドマシンは外径6840mm、全長9090mm。

 シールドマシンが掘った土は、泥水にしてポンプで建設ヤードへ送られる。送られた泥水は土と水(泥水)に分けられ、一部の水(泥水)は再びシールドマシンへ送られて、残った泥水は圧縮して土と水に分けられる。この方法から「泥水式シールド工法」と呼ばれている。

 シールドマシンの操作や機器の管理は中央監視室で集中管理され、トンネルを昼夜間2交代制で掘り進む。

(写真:大上祐史)
(写真:大上祐史)
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 工事始点である深さ約33mの発進たて坑から発進したシールドマシンは、江東ポンプ所付近にある、辰巳の森緑道公園内に設置中の深さ約45mの到達たて坑まで、約4.3km掘り進んでトンネルを構築する。江東幹線は、下流側へ1m進むと約0.5mm下がる勾配になっている。

 シールドマシンは時速約1.5mで進み、1m進むとダンプトラック約10台分の土が出る。

 工事は以下に分けられている。
江東幹線工事:延長2173.25m
江東幹線その2工事:延長2090.65m・工期は2018年2月2日まで

(資料:東京都下水道局)
(資料:東京都下水道局)
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 トンネルを掘る地中の大部分は軟らかい粘土で、一部は硬い砂利だ。

 地下水にメタンガスを含む地層があり、水に溶けているメタンガスはトンネル内部に侵入すると気化してしまう。このため、引火の要因となるシールドマシン内部の蛍光灯や電気機器はすべて、爆発しないもしくは爆発が周囲に広がらない防爆仕様となっている。

 トンネルの大きさは内径6.0m、外径6.7m(一部6.67m)。土かぶりと呼ばれる地表からトンネル上部までの深さは25.28m~37.98mある。

(資料:東京都下水道局)
(資料:東京都下水道局)
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 直線や曲線の箇所では鋼材とコンクリートを合成した特殊二次覆工一体型セグメントが使われ、計画管接合部や急曲線部では鋼製セグメントが使用される。