豊洲新市場に追加工事
移転先となる豊洲新市場は、土壌の汚染度を表す地下水の有害物質濃度が、土壌汚染対策工事後も環境基準を上回っている。
東京都は石原知事時代の2010年3月、豊洲の土壌汚染を環境基準以下として無害化する方針を打ち出していた。しかし7月21日の関係局長会議で、この方針の撤回を決めた。
他方で追加対策によって市場施設の安全性を確保する。地下水に含まれる水銀やベンゼン、シアンが気化して地上の市場施設内に侵入しないように、地下ピットの床の捨てコンクリート上に新たにコンクリートを打設し、ピット内を換気する。そのほか、揚水ポンプの新設などで地下水管理システムの機能を強化する。
地下ピットの工事費は、「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(座長:平田健正・放送大学和歌山学習センター所長)の概算で15億~20億円。地下水管理システム機能強化の概算工事費は20億~25億円だ。
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(関連情報:東京都:市場移転に関する関係局長会議のウェブサイト)