東京の品川駅西口で、駅前の国道15号上空に大規模な広場を作り、道路で分断された駅と商業エリアを一体化する取り組みが始まった。国道の拡幅に併せ、道路上空を民間事業者などが利用できるようにする「立体道路制度」を活用する。

北側から見た品川駅西口駅前の様子(写真:山崎 一邦)
北側から見た品川駅西口駅前の様子(写真:山崎 一邦)
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 国土交通省関東地方整備局東京国道事務所が6月6日、事業計画の策定に向けて、民間の「事業協力者」の募集を開始した。隣接区域の再開発を予定する民間事業者や地権者から提案を呼び込み、駅前空間の整備について、官民が連携して具体化するのが狙いだ。

黒い太線で囲っているのが立体道路制度を適用する範囲。赤い太線の内側で再開発を予定する事業者などに提案を求めている(資料:国土交通省東京国道事務所)
黒い太線で囲っているのが立体道路制度を適用する範囲。赤い太線の内側で再開発を予定する事業者などに提案を求めている(資料:国土交通省東京国道事務所)
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 東京国道事務所によると、事業計画の策定前に民間の街づくりと連携した提案を取り込むのは全国の直轄国道で初めて。

 品川駅西口の駅前には、「第一京浜」と呼ばれる幅33.5mの国道15号が通り、向かい側の商業エリアを隔てている。この道路は都市計画上、西口駅前で53.6mに拡幅することになっている。

 一方、品川駅は羽田空港に近く、リニア中央新幹線の駅を整備する予定もある。今後、再開発によって利用者の大幅な増加が見込まれることから、限られた空間を有効利用するため、国交省と東京都は今年2月、立体道路制度を使って西口駅前を整備する方針を打ち出している。