井の頭線付近に2年後到達目指す
シールド機はいずれも泥土圧式で、鹿島JV機は川崎重工業、大林組JV機は三菱重工メカトロシステムズが製造。性能面で月進500mを目標に掲げた機体だ。それぞれ、16年6月ごろから組み立てを開始していた。
大林組JV機は、面盤外周部と内周部それぞれ回転する速度を変えられる「二重カッター」と呼ぶ方式を採用した機体だ。
大口径のシールド機は一般に、外周側と内周側とで回転速度の差が生じる。二重カッター方式は、内周部の回転速度を相対的に上げることで、掘削効率の最適化を図る技術。電力消費量の抑制効果も期待できる。
掘削工事でセグメントは、東名高速道路の反対側に位置するストックヤードから、高速高架下を経由してたて坑に搬入。掘削土は、たて坑からベルトコンベヤーなどを介して土砂ピットヤードに一時保管する計画だ。
国交省関東地方整備局によると、シールド機は発進後、まずは後続台車など付帯設備の組み立てを並行する形で、約200m分を掘進。この初期作業でおおむね10カ月程度を見込んでおり、その後、掘削がさらに本格化していく。順調に進めば発進後1年程度で小田急小田原線、2年程度で京王井の頭線それぞれと交差する付近の地下に到達する見通しだ。
工期は鹿島JV工区が2019年6月12日まで、大林組JV工区が同年同月6日まで。本線用シールドトンネルとともに、それぞれ横連絡坑8カ所などの構築も含む工事内容だ。