羽田空港へのアクセスの良さが売り物の浜松町エリアで、JR東日本や東急不動産、野村不動産ホールディングスがそれぞれ大規模な再開発に乗り出した。今後、とくにオフィスの供給量が急激に増加し、ビジネス街としてさらなる発展を遂げそうだ。

都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)の業務棟の外観イメージ(図:東急不動産)
都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)の業務棟の外観イメージ(図:東急不動産)
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駅前に超高層オフィス林立、MICE機能も強化

 浜松町駅には、JR山手・京浜東北線と東京モノレールが乗り入れる。数ある周辺の大規模再開発のうち、先陣を切ったのが、(仮称)浜松町駅前プロジェクト。浜松町駅西側の約3.2ヘクタールの土地に、世界貿易センタービルの建て替えを含め、複合ビル5棟を建設する計画だ。都営地下鉄大門駅にも直結する。

 複合ビルにはオフィスを中心に、店舗やカンファレンス施設、コンベンションホール、医療センターなどが入る。このほか、外国人滞在支援機能も持たせ、MICE(企業などの会議=Meeting、報奨・研修旅行=Incentive Travel、国際会議=Convention、展示会やイベント=Exhibition、Eventの頭文字)機能を強化する。羽田空港(東京国際空港)に近い地の利を生かす。

(仮称)浜松町駅前プロジェクトの完成予想図。旧芝離宮恩賜庭園側(東側)から見たところ(図:JR東日本)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトの完成予想図。旧芝離宮恩賜庭園側(東側)から見たところ(図:JR東日本)
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(仮称)浜松町駅前プロジェクトの大門通り(北側)から見た広場や歩行者デッキのイメージ(図:JR東日本)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトの大門通り(北側)から見た広場や歩行者デッキのイメージ(図:JR東日本)
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(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区に設けるステーションコアのイメージ(図:JR東日本)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区に設けるステーションコアのイメージ(図:JR東日本)
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 事業主体は東側(駅側)のA街区が世界貿易センタービルディング、東京モノレール、東日本旅客鉄道(JR東日本)など。西側のB街区は日本生命保険と大林組。A街区に先行してB街区では、2015年11月から高さ156mの「ニッセイ浜松町クレアタワー」の建設工事が進んでいる。

(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区は建設工事中。設計は大林組。2018年8月に竣工予定(写真:赤坂 麻実)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区は建設工事中。設計は大林組。2018年8月に竣工予定(写真:赤坂 麻実)
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(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区の世界貿易センタービルの解体は2019年に着手し、2024年度に全体竣工の予定(写真:赤坂 麻実)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区の世界貿易センタービルの解体は2019年に着手し、2024年度に全体竣工の予定(写真:赤坂 麻実)
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 さらに、B街区の南側で、浜松町二丁目C地区市街地再開発事業の再開発準備組合も設立され、浜松町駅やA街区、B街区とデッキで接続することや、建設する複合ビルに港区の文化芸術ホールを整備することなどが計画されている。文化芸術ホールはもともと、隣の田町駅北口に整備する計画があったが、東日本大震災の影響により、中止になっていた。多様な用途に対応する600席級のホールが、浜松町に誕生することになった。

(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区の南側が浜松町二丁目C地区市街地再開発事業の計画地(写真:赤坂 麻実)
(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区の南側が浜松町二丁目C地区市街地再開発事業の計画地(写真:赤坂 麻実)
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