シールド外径12.3m、2本を並行掘進


 横浜北線は、「横浜環状道路」の建設計画でいち早く動き始めた路線。工事着手は2001年で、首都圏における近年の大規模トンネル工事では、先行例の一つとして注目されてきた。第三京浜から西側では後を追う格好で、東名高速道路の横浜青葉インターチェンジ・JCT(仮称)に至る「横浜環状北西線」の建設が進んでいる。

横浜北線の西側では、第三京浜と東名高速道路とを結ぶ「横浜環状北西線」が建設中(資料:首都高速道路)
横浜北線の西側では、第三京浜と東名高速道路とを結ぶ「横浜環状北西線」が建設中(資料:首都高速道路)
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 横浜北トンネルの本線は、泥土圧式シールド工法で構築した外径12.3m、内径11.5mのトンネル2本(各2車線分)からなる。2台のシールド機が、新横浜出入り口付近の発進たて坑から子安換気所(岸谷生麦出入り口付近)の到達たて坑に向けて、並行する格好で掘進。北側のトンネルは10年12月に発進し13年10月に、南側は11年1月に発進し14年3月にそれぞれ貫通した。

横浜北線の本線トンネル。新横浜出入り口から生麦JCT方向に800m前後入った付近の様子。本線トンネルでは、防災・照明設備の設置など最終盤の段階を迎えている(写真:日経コンストラクション)
横浜北線の本線トンネル。新横浜出入り口から生麦JCT方向に800m前後入った付近の様子。本線トンネルでは、防災・照明設備の設置など最終盤の段階を迎えている(写真:日経コンストラクション)
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 本線トンネルは大林組・奥村組・西武建設JVが施工を担当。セグメントは、中央環状品川線と同じく1ピースが幅2mで、コンクリートに鋼繊維とポリプロピレン繊維を混入して耐久性・耐火性を高めた「SFRCセグメント」を採用。性能面に加えて、寸法が首都高速の従来の標準(幅約1.5m)より幅広で、施工速度の向上も見込んだセグメントだ。

 馬場出入り口の本線トンネル地中拡幅工事は、パイプルーフによって地山を支えたうえで拡幅する工法を採用。大林組JVの技術提案に基づく工法で、本線トンネル工事の一環として同JVが施工。完全非開削の地中拡幅は、首都高速にとって品川線の大橋JCTに続く2例目だ。また同出入り口では、最小曲線半径50mと急曲線のランプトンネル4本を「中折れシールド機」を用いて清水建設・東急建設JVが施工しており、後半戦に入ったところといった状況だ。

馬場出入り口付近で行われた本線トンネルの地中拡幅工事の様子。完全非開削による地中拡幅は、首都高速では中央環状品川線の大橋JCTに続いて2例目だった。写真は2014年10月時点(写真:日経コンストラクション)
馬場出入り口付近で行われた本線トンネルの地中拡幅工事の様子。完全非開削による地中拡幅は、首都高速では中央環状品川線の大橋JCTに続いて2例目だった。写真は2014年10月時点(写真:日経コンストラクション)
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