東京・多摩地区のターミナル、立川駅に直結する32階建ての再開発ビル「立川タクロス」が8月4日に街開きを迎える。ビルにはマンションや商業施設が入り、駅西側には新たに南北自由通路と改札、屋根付きの「タクロス広場」が設けられた。立川は、1977年に米軍立川基地が全面返還されて以降、基地跡を中心に開発が進み、今なお開発の余地を残している。東京西部で一人勝ちの状態だ。
“買い物の街”駅近に合同庁舎や病院も
高さ約130mの立川タクロスは、駅北口のデッキと接続しており、1~2階に公共の自転車駐輪場と行政窓口サービス機能を整備した。3~7階がヤマダ電機の店舗、9~32階が分譲マンションの「プラウドタワー立川」(総戸数319戸)となっている。プラウドタワー立川は野村不動産が事業主で、販売価格が5248万円~1億6598万円、最多価格帯が7300万円と高価ながら早期に完売し、立川の勢いを感じさせた。
さらに、駅北口から徒歩数分の場所に、新たに商業施設が建設される。立飛(たちひ)ホールディングス(東京都立川市)が2015年1月に基地跡の国有地約3万9000m2を落札しており、開発構想を温めている。立飛はこの土地の活用策の一つとして、シティーホテルの建設も検討中。浅草ビューホテルを旗艦とするホテルチェーンの日本ビューホテルから提案があり、両社でシティーホテルの開発に向けた市場調査や研究を行っている。
立飛ホールディングスが開発を進める敷地の向かいには、2013年に西国立駅のそばにあった立川地方合同庁舎が移転してきており、さらにその南隣では、立川相互病院の新病院の建設が進んでいる。291床の急性期病院とし、2016年12月に開院予定だ。延べ面積は薬局を含めて約6000坪になる。現在の立川相互病院は、駅南口から12分ほどの場所にあるが、こちらは急性期後のリハビリなど、在宅復帰を支援する病院として、病院名を変更し、2017年1月に現地で開院する。
立川駅前はこれまでにも大型商業施設の出店が相次いできて“買い物に便利な街”のイメージが強いが、商業以外の機能も駅前に集まり始めた。