14万m2の駅前開発は“全国区”ビルに

 西側エリアでは、都市再生機構(UR都市機構)が四谷駅前地区第一種市街地再開発事業に着手した。新宿区立四谷第三小学校や財務省四谷公務員宿舎の跡地など国公有地と周辺市街地合わせて約2.4haを事業区域として一体整備していく。計画地は外堀通りを挟んで四ツ谷駅四ツ谷口のはす向かいに位置している。

 地上31階の業務タワー棟や住宅約100戸、商業施設、文化国際交流棟、教育棟、約360台分の駐車場、広場などを設ける。計画敷地は約1.8haで、現在は既存建物の解体などを進めている。2016年8月初旬に建設工事を始め、2019年10月下旬に完成の予定だ。設計・施工は大成建設。

四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の完成予想図。敷地北西からの鳥瞰(図:都市再生機構)
四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の完成予想図。敷地北西からの鳥瞰(図:都市再生機構)
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完成予想図。四谷見附北交差点より(図:都市再生機構)
完成予想図。四谷見附北交差点より(図:都市再生機構)
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再開発する「四谷駅前地区」の位置図。はす向かいが四ツ谷駅の四ツ谷口(図:日経アーキテクチュア)
再開発する「四谷駅前地区」の位置図。はす向かいが四ツ谷駅の四ツ谷口(図:日経アーキテクチュア)
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JR四ツ谷駅の四ツ谷口を背にして、四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地を見る(写真:赤坂 麻実)
JR四ツ谷駅の四ツ谷口を背にして、四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地を見る(写真:赤坂 麻実)
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四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地を南西から見る。敷地南側には文化国際交流拠点や業務タワー棟が建つ予定(写真:赤坂 麻実)
四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地を南西から見る。敷地南側には文化国際交流拠点や業務タワー棟が建つ予定(写真:赤坂 麻実)
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計画地では既存建物の解体が進んでいる(写真:赤坂 麻実)
計画地では既存建物の解体が進んでいる(写真:赤坂 麻実)
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外堀通り。四ツ谷駅付近は特に広く、幅員40m(写真:赤坂 麻実)
外堀通り。四ツ谷駅付近は特に広く、幅員40m(写真:赤坂 麻実)
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計画地の周辺。中・小規模の建物が多い(写真:赤坂 麻実)
計画地の周辺。中・小規模の建物が多い(写真:赤坂 麻実)
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計画地の南側に庶民的な飲食街「しんみち通り」がある。古地図にも記載がある古くからの商業地(写真:赤坂 麻実)
計画地の南側に庶民的な飲食街「しんみち通り」がある。古地図にも記載がある古くからの商業地(写真:赤坂 麻実)
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 四ツ谷駅は交通の便が良く、JR中央線は快速と緩行がどちらも停まり、東京メトロは丸ノ内線と南北線が乗り入れる。

 「ここまで駅近なら注目度は抜群。JR中央線は特別快速も停まり、交通の便が良い場所。今後の都内の再開発は山手線沿いが多く、中央線沿いかつ山手線の内側では、新たな大規模オフィスは珍しい」と、三幸エステートの今関豊和チーフアナリストは、プロジェクトをこう評価する。「エリア内の他の物件とは一線を画すグレードなので、他エリアの同クラス物件が比較検討対象になるだろう。そういう意味では“全国区”のビル。賃料は坪当たり3万円台に乗り、難なく満室になるのではないか」と分析する。

四ツ谷駅の東西でオフィス賃料を坪単価で比較(単位は円)。東の千代田区側の方が西の新宿区側よりも賃料は高い。データは2016年5月末時点のもの(資料:三幸エステートの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
四ツ谷駅の東西でオフィス賃料を坪単価で比較(単位は円)。東の千代田区側の方が西の新宿区側よりも賃料は高い。データは2016年5月末時点のもの(資料:三幸エステートの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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四ツ谷駅の四ツ谷口。車寄せがある(写真:赤坂 麻実)
四ツ谷駅の四ツ谷口。車寄せがある(写真:赤坂 麻実)
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JR中央線の駅を望む。左が快速線ホーム、右が緩行線ホーム。快速線には快速のほか特別快速も停車し、利便性が高い(写真:日経アーキテクチュア)
JR中央線の駅を望む。左が快速線ホーム、右が緩行線ホーム。快速線には快速のほか特別快速も停車し、利便性が高い(写真:日経アーキテクチュア)
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