日本一高いタワーの建設に合わせた街づくりには、続きがあった。地上に残った「東武スカイツリーライン」の約900mを留置線ごと高架に上げて、「とうきょうスカイツリー」駅も押上駅側に移設する。新たに北口広場を設けて、一足早く完成している南口広場とも直結。南北に分断された街をつなげる。
本計画は、いわば後半戦。開発が先行した南口のにぎわいを、鉄道の連続立体交差化で北口にも広げる。東京都と墨田区が今年3月、一連の主要プロジェクトを都市計画決定した。鉄道関連は2017年に着工し、2023年までに完成させる予定だ。
本線と留置線が地上に残る
かつて東武スカイツリーラインの本線南側には広大な貨物駅があり、東武鉄道が1993年まで営業を続けていた。さらに1990年から2003年まで、終着の浅草駅には長すぎて留められない10両編成の電車を折り返すための、専用ホームも設けてあった。それらの跡地約6万m2を東武鉄道が主体となり、総事業費650億円を投じて開発。2012年に東京スカイツリータウンとして開業した。
それまで、「東武スカイツリーライン」の愛称はなく単に東武伊勢崎線と呼び、とうきょうスカイツリー駅も旧名の業平橋駅を名乗っていた。
本線の北側には、もともと回送電車などを留置する線が多数あり、東京スカイツリー建設の際にも残された。当時既に前後の区間は高架だったが、留置線と本線の接続部分が地上だったこともあり、付近の鉄道施設がそのまま地上に残っている状態だ。