留置線を含め高架に

 街の分断を解消するため、線路を丸ごと高架にする。とうきょうスカイツリー駅と留置線を含む東武スカイツリーライン約900mの区間が対象だ。線路の北側には新たに2600m2の北口広場を設け、南口広場と幅8mの歩行者用道路でつなげる。鉄道施設の立体化と道路や広場の整備は、ともに墨田区が事業主体となる。

 東京都内を走る鉄道の連続立体交差化は、都が事業主体となって施行するケースがほとんどだ。ただし、都内にはピーク1時間当たりの遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」が多数存在し、都が優先的に立体交差化を進めている。とうきょうスカイツリー駅付近の早期立体化が地元の悲願であることから、墨田区は区施行を決めた。立体化の事業費は、墨田区議会の2015年の資料によれば約275億円だが、詳細は試算中だ。

 とうきょうスカイツリー駅は300mほど東に移設する。その際、現在1面で上下2線分あるホームを2面に増やして3線分とし、増やした1線を留置線に接続する。留置線は規模を縮小して、空いた土地を北口広場などに充てる。整備する高架下には、にぎわい施設を入れることを検討している。

計画の概要。線路を高架にして桜橋通りの踏切を除却する。高架に際に駅を移設して、北口広場を新設する。南北の広場を行き来できる歩行者用道路「(仮称)南北通り」も設ける。鉄道施設の立体化と道路や広場の整備は、ともに墨田区が事業主体となって施行する ※特記以外の図は、都市計画決定前である2015年12月版の「都市計画素案のあらまし」から転記(資料:墨田区)
計画の概要。線路を高架にして桜橋通りの踏切を除却する。高架に際に駅を移設して、北口広場を新設する。南北の広場を行き来できる歩行者用道路「(仮称)南北通り」も設ける。鉄道施設の立体化と道路や広場の整備は、ともに墨田区が事業主体となって施行する ※特記以外の図は、都市計画決定前である2015年12月版の「都市計画素案のあらまし」から転記(資料:墨田区)
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連続立体交差化計画の断面図。現状は駅間だけが地上となっている(資料:墨田区)
連続立体交差化計画の断面図。現状は駅間だけが地上となっている(資料:墨田区)
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高架部分の標準断面図。本線の北側に副本線と留置線を設ける。2面のホームに3本の列車が止まれるようにする(資料:4点とも墨田区)
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高架部分の標準断面図。本線の北側に副本線と留置線を設ける。2面のホームに3本の列車が止まれるようにする(資料:4点とも墨田区)
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高架部分の標準断面図。本線の北側に副本線と留置線を設ける。2面のホームに3本の列車が止まれるようにする(資料:4点とも墨田区)
浅草駅側にある言問通りの南側から、とうきょうスカイツリー駅を見る。この付近は高架だ。写真右側が東京ツカイツリータウン、同駅には特急列車も停車する(写真:日経BPインフラ総合研究所)
浅草駅側にある言問通りの南側から、とうきょうスカイツリー駅を見る。この付近は高架だ。写真右側が東京ツカイツリータウン、同駅には特急列車も停車する(写真:日経BPインフラ総合研究所)
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とうきょうスカイツリー駅北側の高架が途切れた箇所。この付近から東(写真では左)へと、高架が地上に下っていく(写真:日経BPインフラ総合研究所)
とうきょうスカイツリー駅北側の高架が途切れた箇所。この付近から東(写真では左)へと、高架が地上に下っていく(写真:日経BPインフラ総合研究所)
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とうきょうスカイツリー駅の東側。本線も留置線も地上に下りている(写真:日経BPインフラ総合研究所)
とうきょうスカイツリー駅の東側。本線も留置線も地上に下りている(写真:日経BPインフラ総合研究所)
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曳舟駅側にある桜橋通りから、とうきょうスカイツリー駅方面を望む。一帯の鉄道施設はすべて地上の高さにあり、留置線が桜橋通り脇まで延びている(写真:日経BPインフラ総合研究所)
曳舟駅側にある桜橋通りから、とうきょうスカイツリー駅方面を望む。一帯の鉄道施設はすべて地上の高さにあり、留置線が桜橋通り脇まで延びている(写真:日経BPインフラ総合研究所)
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踏切の東側は再び高架になる(写真:日経BPインフラ総合研究所)
踏切の東側は再び高架になる(写真:日経BPインフラ総合研究所)
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