区自ら事業主体に、初のケース

 実は、足立区は事故発生前から高架化を模索していた。地元住民や議員連盟と連携しながら事業の早期開始に向けた検討を加速。東京都の特別区が事業主体となって連続立体交差事業を実施する初めてのケースとなった。
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 従来は都道府県と政令市に限られていた事業主体が05年度から特別区などにも拡大されたことから、区が自ら事業を実施することが可能になったのだ。

 事業の対象は東武伊勢崎線西新井駅―谷塚駅間のうち、竹ノ塚駅を含む約1.7kmの区間で、事業費は約544億円。このうち足立区が約456億円(うち国費約250億円・都費約102億円)、東武鉄道が約88億円を負担する。

下り急行線の高架橋を上り始める列車。5月28日まで走っていた線路から移設された跡が見える(動画:日経コンストラクション)
下り急行線が高架化してもまだ残る駅南側の「大踏切」(写真:日経コンストラクション)
下り急行線が高架化してもまだ残る駅南側の「大踏切」(写真:日経コンストラクション)
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駅北側の「小踏切」。2020年度まで事業は続く(写真:日経コンストラクション)
駅北側の「小踏切」。2020年度まで事業は続く(写真:日経コンストラクション)
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竹ノ塚駅付近の完成イメージ(資料:足立区、東武鉄道)
竹ノ塚駅付近の完成イメージ(資料:足立区、東武鉄道)
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 今回の下り急行線の高架化によって、踏切の遮断時間はその分だけ短くなる。4人が死傷した駅南側の「大踏切」と、北側の「小踏切」の計2カ所が撤去されるのは20年度の予定だ。