現場3D化システム(明和eテック)
写真から3次元CADデータを手軽に作成
住宅のリフォーム業界は現在、今後の人手不足への対応やコストダウンなどの課題を抱えている。
図面が残っていない住宅では、家具などの障害物があると正確な寸法が測りにくい。また、高い場所は経験や勘などの目分量で測る場合もあり、誤差が大きいことも悩みのタネだった。
こうした問題を解決するため、明和eテック(本社:愛知県豊田市)は、「3D計測CADデータ化システム(仮称)」(PDFリリース)を開発した。
使い方はシンプルだ。現場で2枚の写真を撮影して、パソコンに読み込むだけだ。すると、測りたい部分の寸法や面積を簡単に求めることができるのだ。
また、CAD図面化したい部分を指定すると、市販のCADソフトに取り込めるデータに変換できるようになっている。
このシステムは、明和eテックが製品企画を行い、トヨタコミュニケーションシステムと富士通マーケティングがソフトウエアのプロトタイプを共同開発した。
3Dレーザースキャナーなど高価な機器が不要で、操作はマウスとテンキーだけなので、誰でも簡単に使える。
明和eテックがこのシステムを開発したのは、リフォーム業界からの相談がきっかけだったが、用途は広がりそうだ。土木工事など屋外で現況図作成や、生産工場内での設備や工程の改善計画など、複雑で高所のある多種多様な目的に使えるのではないだろうか。
価格はカメラを含めたシステム一式で、90万円台の低価格に抑えた。発売時期は、2016年の4月を予定している。