事例(3)37万m2の広大な造成現場で土量計算
ドローン、MMS、地上型スキャナーを総動員

 37万m2という広大な造成現場での土量計算となると、もはや地上型スキャナーだけでは対応できない。そこでMMS、さらにはドローンで撮影した現場の空撮写真から解析ソフトによって点群データを作成する手法も組み合わせるのが効率的となる。

 この現場で使ったのはドローン1機、地上型スキャナー1台(トプコンのGLS-2000)、そしてMMS1台(トプコンのIP-S3HD1)だ。

 その結果、37万m2の現場計測にかかったのはわずか2.5日だった。内訳はドローンによる空撮が1日、MMSによる計測が1日、そして地上型スキャナーによる計測が0.5日だった。

 また、点群データの解析には4.5日かかった。中でもドローンの写真を解析する作業に3日かかり、MMSの点群は1日、地上型の点群は0.5日だった。

 使い分けのルールは、車両が走行できる範囲はMMSで計測し、それ以外の部分は地上型スキャナーやUAVで計測することにした。

ドローン、MMS、地上型スキャナーによる計測結果を合成した点群データ(資料:小林コンサルタント)
ドローン、MMS、地上型スキャナーによる計測結果を合成した点群データ(資料:小林コンサルタント)
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3種類の点群データ内訳。白がMMS、黄が地上型スキャナー、赤がドローンによる部分(資料:小林コンサルタント)
3種類の点群データ内訳。白がMMS、黄が地上型スキャナー、赤がドローンによる部分(資料:小林コンサルタント)
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 これまでは盛り土や切り土の土量計算は、一定間隔で断面積を計算し、平均断面積と間隔から求める「平均断面法」などが用いられてきた。

 今回は、発注者から土量計算の方法はメッシュ法でよいと指示されたため、2つの時期に計測した点群データを比較することにより、切り土、盛り土の面的な分布とともに土量計算を行うことができた。

点群データを使った土量計算結果(資料:小林コンサルタント)
点群データを使った土量計算結果(資料:小林コンサルタント)
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