現場の音を360度のステレオサウンドで記録

 ガジェット部門賞を受賞した「Ambisonics360 マイクロフォン」(Qos_mic)は、動画とともに音声も360度のステレオで録音するための装置だ。

 正四面体の頂点に4つの小型マイクロフォンを配置したものを、THETAの上に取り付けて録音する。それにより、全天球映像を見る方向から来る音をステレオで聞くことができる。

 最近、クラウドコンピューティングや現場内のLANが普及してきたことから、現場の状況を映像や音声で遠隔地にいる専門家に送り、技術的な判断を仰ぐシステムの開発が増えている。全天球動画に加えて現場の音までを立体的に提供することで、重機や運搬車両、発電機などの配置を音でも感じられるようになる。まるで現場の真ん中に立っているような緊張感を現場最前線の技術者と共有できそうだ。

ガジェット部門賞に輝いた「Ambisonics360 マイクロフォン」。正四面体の頂点に小型マイクが装着されている(資料:Qos_mic)
ガジェット部門賞に輝いた「Ambisonics360 マイクロフォン」。正四面体の頂点に小型マイクが装着されている(資料:Qos_mic)
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 このほかの受賞作には、GPSと連動して動画の撮影開始、終了を制御できる「Theta GPS」(Cornelia and Harald Meyer)、撮影した人物を消せる「CliPETA」(石村 司)、THETAの写真をプレーヤー付きでメール送信できる「ポータブルパノラマプレイヤー」(MIRO)、船舶のディーゼルエンジン内部を分解せずに撮影できる照明、冷却装置付きケース「スマートエンジンカメラ きらりNINJA」(日本郵船、MTI、ダイトエレクトロン)などがあり、それぞれ使ってみたいと思わせる実用性を感じる。

船舶のディーゼルエンジン内部を分解せずに撮影できる照明、冷却装置付きケース「スマートエンジンカメラ きらりNINJA」(資料:日本郵船、MTI、ダイトエレクトロン)
船舶のディーゼルエンジン内部を分解せずに撮影できる照明、冷却装置付きケース「スマートエンジンカメラ きらりNINJA」(資料:日本郵船、MTI、ダイトエレクトロン)
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「スマートエンジンカメラ きらりNINJA」で撮影したシリンダー内の映像(左)と撮影方法(右)(資料:日本郵船、MTI、ダイトエレクトロン)
「スマートエンジンカメラ きらりNINJA」で撮影したシリンダー内の映像(左)と撮影方法(右)(資料:日本郵船、MTI、ダイトエレクトロン)
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 THETA自体の精度や性能も、今後、強化されていく予定なので、さらに高解像度の写真撮影などを生かした活用も、今後、可能になりそうだ。