BIMモデルから3Dプリンターで模型作成
高層棟の脇には「リボンエリア」という曲面を持った緑地がある。かなり勾配もきついため、リボンのような複雑な形をしたコンクリート擁壁で土を支える構造になっている。
コンクリート壁は高い部分では約10mにもなるため、安全に施工するための手順や、作業員の動線を検討するのにも、BIMモデルが役立った。
さらにこの部分の構造を可視化して分かりやすくするため、3Dプリンターで模型を作った。「これをコミュニケーション手段として作業員らにも見せて、どんな構造物を作ろうとしているのかを理解してもらった」(石橋氏)。
複雑な形をしたリボンエリアの施工を効率化したのは、BIMモデルを使った墨出しだ。この現場でメーンのBIMソフトとして使っているオートデスクの「Revit」に、「Point Layout」というアドオンソフトをインストールすると、XYZの座標値をテキスト形式で書き出すことができる。
そこでリボンエリアの擁壁のBIMモデル上に、型枠の端部などの点を追加して座標データを書き出し、トータルステーションに読み込ませて墨出しを行ったのだ。
コンクリート壁は複雑な曲線や曲面でできているため、XYZの各座標も端数が多い。BIMモデルの座標値をダイレクトにトータルステーションと連携することにより、墨出しの効率も高まった。